マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

芦屋大学の問題【2020年一般入試】

ご訪問ありがとうございます!

解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

目次

今回の問題
問題の難易度について
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
第6問
第7問
いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回の問題

今回は芦屋大学2020年一般入試の問題です。前回は2021年の一般入試を解説しました。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

大学のホームページに載っている問題です。それを全問解説していこうと思います。

問題の難易度について

難易度は☆☆です。

基礎問題が多いです。計算も問題3以外はそんなに難しくはないです。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

問題と問題の解説(第1問)

第1問

(1) (3a-b+4)^{2}を展開せよ。

(2) a^{4}+5a^{2}+9因数分解せよ。

第1問の解説

(1)因数分解の公式

 (x+y+z)^{2}=x^{2}+y^{2}+z^{2}+2xy+2yz+2zx

を使って展開します。

 \begin{eqnarray*} (3a-b+4)^{2}&=&9a^{2}+b^{2}+16-6ab-8b+24a\\ &=&9a^{2}-6ab+b^{2}+24a-8b+16\end{eqnarray*}

最後の行のように整理しておくときれいに見えますが、整理していない状態でも正解です。

(2)少し難しい問題かもしれませんが、2乗を作るという方針でいくと因数分解ができます。

 a^{4}+5a^{2}+9=a^{4}+6a^{2}+9-a^{2}

とすると、和と差の積の公式 x^{2}-y^{2}=(x+y)(x-y)が使える形になります。

 \begin{eqnarray*} a^{4}+5a^{2}+9&=&a^{4}+6a^{2}+9-a^{2}\\ &=&(a^{2}+3)^{2}-a^{2}\\ &=&\{ (a^{2}+3)+a\} \{ (a^{2}+3)-a\} \\ &=&(a^{2}+a+3)(a^{2}-a+3)\end{eqnarray*}

因数分解の問題は、指定がなければ整数係数で答えを出します。今回の場合はこれ以上因数分解ができませんので、これが答えになります。

問題と問題の解説(第2問)

第2問

(1)2次関数 y=-x^{2}-2x+1の最大値を求めよ。

(2)3点 A(-1,-4),\ B(1,4),\ C(2,5)を通る2次関数を求めよ。

第2問の解説

(1)2次関数は平方完成をしておくことが基本になります。平方完成の方針は

・2次の係数と1次の係数に注目して \displaystyle a\left( x+\frac{b}{2a}\right) ^{2}を作る

・2乗を作った時に出た余計なものを外で引く

という手順です。一般的な式 y=ax^{2}+bx+cでやってみると

 \begin{eqnarray*} ax^{2}+bx+c&=&a\left( x+\frac{b}{2a}\right) ^{2}-a\left( \frac{b}{2a}\right) ^{2}+c\end{eqnarray*}

となります。問題集や参考書には

 y=ax^{2}+bx+cを平方完成すると \displaystyle y=a\left( x+\frac{b}{2a}\right) ^{2}-\frac{b^{2}-4ac}{4a}

と書いてありますが、ここまでする必要はないと思います。具体的に今回の問題で平方完成してみると

 \begin{eqnarray*} -x^{2}-2x+1&=&-(x+1)^{2}-(-1)+1\\ &=&-(x+1)^{2}+2\end{eqnarray*}

となりますので、 y=-x^{2}-2x+1の最大値は x=-1のとき 2であることがわかります。

(2)3点が与えられている場合の2次関数の式の求め方は

 y=ax^{2}+bx+cとおいて通る点の座標を代入する→連立方程式を作る

連立方程式を解いて、その解をもとの2次関数の式に代入する

という手順になります。この手順でこの問題も解いてみます。

2次関数 y=ax^{2}+bx+cが点 A(-1,-4)を通るので

 -4=a-b+c…①

という式が得られます。これと同じようにして、点 B(1,4)を通ることから

 4=a+b+c…②

 C(2,5)を通ることから

 5=4a+2b+c…③

という式がそれぞれ得ることができます。①、②、③の式をすべて満たしますので、連立方程式

 \left\{ \begin{array}{ccc} a-b+c&=&-4\\ a+b+c&=&4\\ 4a+2b+c&=&5\end{array}\right.

を解くことになります。この連立方程式を解くと a=-1,\ b=4,\ c=1となりますので、求める2次関数の式は y=-x^{2}+4x+1となります。

問題と問題の解説(第3問)

第3問

下の表はあるクラスの数学と理科の試験結果である。各教科の標準偏差および両教科の相関係数を求め、このクラスの数学と理科の点数の関係を説明しなさい。ただし、計算過程で平均点を算出する場合は整数部分を用い、小数点以下を切り捨てること。また、標準偏差および相関係数は小数第3位以下を切り捨てること。

 \begin{array}{|c|c|c|}\hline 生徒&数学(X)&理科(Y)\\ \hline  A&70&55\\ \hline B&56&46\\ \hline C&67&44\\ \hline D&48&38\\ \hline E&80&60\\ \hline \end{array}

第3問の解説

 Xのデータを x_{1},\ x_{2},\ x_{3},\ x_{4},\ x_{5}とするとき

・平均 \bar{x}の求め方は \displaystyle \frac{1}{5}(x_{1}+x_{2}+x_{3}+x_{4}+x_{5})

・分散 \sigma_{x}の求め方は \displaystyle \frac{1}{5}\{ (x_{1}-\bar{x})^{2}+(x_{2}-\bar{x})^{2}+\cdots +(x_{5}-\bar{x})^{2}\}

標準偏差は分散の正の平方根

という基本事項を理解しておけば解ける問題です。ですが、計算が非常に大変ですので注意が必要です。求めなくてはいけないものは標準偏差と共分散ですが、いずれにしても平均値を出す必要があるのでそれを先に求めておきます。

数学の平均点は

 \begin{eqnarray*} \bar{x}&=&\frac{1}{5}(70+56+67+48+80)\\ &=&\frac{1}{5}\times 321\\ &=&64.2\end{eqnarray*}

です。問題が「平均点を算出する場合は整数部分を用い、小数点以下を切り捨てること」と要請しているので、数学の平均点は 64点とします。同じように理科の平均点を求めると

 \begin{eqnarray*} \bar{y}&=&\frac{1}{5}(55+46+44+38+60)\\ &=&\frac{1}{5}\times 243\\ &=&48.6\end{eqnarray*}

となりますので、 48点が求める理科の平均点です。

数学の分散は

 \begin{eqnarray*} \sigma_{x}&=&\frac{1}{5}\{ (70-64)^{2}+(56-64)^{2}+(67-64)^{2}+(48-64)^{2}+(80-64)^{2}\} \\ &=&\frac{1}{5}\times 621\\ &=&124.2\end{eqnarray*}

ですので、数学の標準偏差 11.14^{2}\lt 124.2\lt 11.15^{2}より 11.14です。同じように理科の標準偏差を求めると、理科の分散が

 \begin{eqnarray*} \sigma_{y}&=&\frac{1}{5}\{ (55-48)^{2}+(46-48)^{2}+(44-48)^{2}+(38-48)^{2}+(60-48)^{2}\} \\ &=&\frac{1}{5}\times 313\\ &=&62.6\end{eqnarray*}

ですので、 7.91^{2}\lt 62.6\lt 7.92^{2}より理科の標準偏差 7.91になります。

 X Yの共分散は

 \displaystyle \frac{1}{5}\{ (x_{1}-\bar{x})(y_{1}-\bar{y})+(x_{2}-\bar{x})(y_{2}-\bar{y})+\cdots +(x_{5}-\bar{x})(y_{5}-\bar{y})\}

で求めます。今回のデータに当てはめて計算していくと、共分散 \sigma_{xy}の値は 79.6になります。相関係数 rとすると

 \displaystyle r=\frac{\sigma_{xy}}{\sigma_{x}\sigma_{y}}

で求められますので、

 \begin{eqnarray*} r&=&\frac{79.6}{11.14\times 7.91}\\ &=&0.9033\end{eqnarray*}

となります。このことから、数学と理科の点数には正の強い相関があるということがわかります。

問題と問題の解説(第4問)

第4問

 \displaystyle \sin{\theta }-\cos{\theta }=\frac{1}{2}\ (0^{\circ }\lt \theta \lt 90^{\circ })のとき、以下の問いに答えよ。

(1) \sin{\theta }\cos{\theta }を求めよ。

(2) \sin{\theta }+\cos{\theta }を求めよ。

第4問の解説

(1) \sin{\theta }\cos{\theta }の値は、与えられている条件式の両辺を2乗すると出てきます。次のように計算していきます。

 \begin{eqnarray*} (\sin{\theta }-\cos{\theta })^{2}&=&\frac{1}{4}\\ \sin^{2}{\theta }-2\sin{\theta }\cos{\theta }+\cos^{2}{\theta }&=&\frac{1}{4}\\ 1-2\sin{\theta }\cos{\theta }&=&\frac{1}{4}\\ 2\sin{\theta }\cos{\theta }&=&-\frac{3}{4}\\ \sin{\theta }\cos{\theta }&=&\frac{3}{8}\end{eqnarray*}

(2) \sin{\theta }\cos{\theta }の値が使えないかを考えてみます。 \sin{\theta }+\cos{\theta }を2乗するとできますので、この値を考えていきます。

 \begin{eqnarray*} (\sin{\theta }+\cos{\theta })^{2}&=&\sin^{2}{\theta }+2\sin{\theta }\cos{\theta }+\cos^{2}{\theta }\\ &=&1+\frac{3}{4}\\ &=&\frac{7}{4}\end{eqnarray*}

 0^{\circ }\lt \theta \lt 90^{\circ }ですので \sin{\theta }\gt 0かつ \cos{\theta }\gt 0です。したがって \sin{\theta }+\cos{\theta }\gt 0ですので、先ほど求めた値の正の平方根をとって

 \displaystyle \sin{\theta }+\cos{\theta }=\frac{\sqrt{7}}{2}

と求めることができます。

問題と問題の解説(第5問)

第5問

次の方程式を解け

(1) 4\cdot 2^{2x-2}-2^{x+1}=8

(2) \log_{2}{(x-1)}-2\log_{2}{(x-2)}=1

第5問の解説

(1)指数方程式の問題ですが、これに関しては指数法則

 a^{x}\times a^{y}=a^{x+y},\ (a^{x})^{y}=a^{xy}

に注意して解いていきます。方程式を変形すると

 (2^{x})^{2}-2\cdot 2^{x}-8=0

となりますが、 2^{x}=tとおくと

 t^{2}-2t-8=0

という t2次方程式が得られます。これを解くと

 \begin{eqnarray*} t^{2}-2t-8&=&0\\ (t+2)(t-4)&=&0\end{eqnarray*}

となりますので t=-2,\ 4となります。指数関数の性質として 2^{x}\gt 0があります。これにより t=4のみが解になります。したがって 2^{x}=4ですので x=2となります。

(2)対数関数の性質

 \displaystyle \log_{a}{P}-\log_{a}{Q}=\log_{a}{\frac{P}{Q}}

と真数条件に注意して解いていきます。方程式を変形していくと

 \begin{eqnarray*} \log_{2}{\left( \frac{x-1}{(x-2)^{2}}\right) }&=&1\\ \frac{x-1}{(x-2)^{2}}&=&2\\ x-1&=&2(x-2)^{2}\\ x-1&=&2x^{2}-8x+8\\ 2x^{2}-9x+9&=&0\\ (2x-3)(x-3)&=&0\end{eqnarray*}

真数条件は x-1\gt 0かつ x-2\gt 0ですので x\gt 2ですよって求める解は x=3のみになります。

問題と問題の解説(第6問)

第6問

3次関数 y=-x^{3}+3x^{2}+9xの極大値と極小値を求めよ。

第6問の解説

関数の極値を求める問題は導関数の符号を調べる必要がありますので、まずは導関数を求めておきます。導関数

 y^{\prime }=-3x^{2}+6x+9

です。 xの式のほうを因数分解しておくと符号がわかりやすくなりますので、因数分解をしておくと

 y^{\prime }=-3(x+1)(x-3)

となります。 x=-1のとき y=-5 x=3のとき y=27ですので、これをもとに増減表を作ると

 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c}\hline x&\cdots &-1&\cdots &3\cdots \\ \hline y^{\prime }&-&0&+&0&-\\ \hline y&\searrow &-5&\nearrow &27&\searrow \\ \hline \end{array}

となりますので、極大値は x=3のとき 27、極小値は x=-1のとき -5ということになります。

問題と問題の解説(第7問)

第7問

さいころ1つを5回投げ、3の倍数の目が2回出る確率と標準偏差を求めよ。

第7問の解説

確率に関しては、反復試行の確率ですので、求める確率は

 \displaystyle _{5}C_{2}\left( \frac{1}{3}\right) ^{2}\left( \frac{2}{3}\right) ^{3}=\frac{80}{243}

となります。標準偏差は第3問のときと同じように分散の正の平方根をとって求めますが、第3問のときと同じように分散を求めると気が遠くなります。分散は(2乗の平均) -(平均の2乗)でも求めることができますので、今回の問題はこちらの方法で求めます。確率の「平均」は期待値のことですので、それを求めます。

期待値を求めるために、3の倍数が1回、2回、3回、4回、5回出る確率をそれぞれ求めます。2回の場合は先ほど求めましたので、それ以外の場合を求めると

・3の倍数の目が1回出る→ \displaystyle _{5}C_{1}\left( \frac{1}{3}\right) ^{1}\left( \frac{2}{3}\right) ^{4}=\frac{80}{243}

・3の倍数の目が3回出る→ \displaystyle _{5}C_{3}\left( \frac{1}{3}\right) ^{3}\left( \frac{2}{3}\right) ^{2}=\frac{40}{243}

・3の倍数の目が4回出る→ \displaystyle _{5}C_{4}\left( \frac{1}{3}\right) ^{4}\left( \frac{2}{3}\right) ^{1}=\frac{10}{243}

・3の倍数の目が5回出る→ \displaystyle \left( \frac{1}{3}\right) ^{5}=\frac{1}{243}

となりますので、期待値は

 \displaystyle 1\times \frac{80}{243}+2\times \frac{80}{243}+3\times \frac{40}{243}+4\times \frac{10}{243}+5\times \frac{1}{243}

 \displaystyle =\frac{5}{3}

となります。また、2乗の平均は「回数を2乗した期待値」と考えて計算しますので

 \displaystyle 1\times \frac{80}{243}+4\times \frac{80}{243}+9\times \frac{40}{243}+16\times \frac{10}{243}+25\times \frac{1}{243}

 \displaystyle =\frac{35}{9}

となります。したがって、分散は \displaystyle \frac{35}{9}-\frac{25}{9}=\frac{10}{9}となりますので、標準偏差 \displaystyle \frac{\sqrt{10}}{3}となります。

いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回は確率と統計の分野の問題が2問ありましたので、計算が非常に面倒でした。

それを除けば基礎問題ばかりですので、易しい問題かと思います。

今回も定期テストくらいの問題と言えそうです。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

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