マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

東京都立大学の問題【2021年前期日程第3問・第4問】

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今週は東京都立大学2021年・2022年の問題です。

今回は2021年文系学部前期日程第3問と第4問です。

今回の問題の原文

 \theta  0\leqq \theta \lt 2\pi を満たす実数とし

 \displaystyle f(\theta )=(x-\sqrt{3}\sin{\theta }-\cos{\theta })

 \displaystyle \times \left\{ x^{2}-(2\sin{\theta })x-2\cos^{2}{\theta }-\frac{\sqrt{3}-1}{2}\cos{\theta }+\frac{\sqrt{3}}{4}+1\right\}

とおく。以下の問いに答えなさい。

(1)方程式 f(\theta )=0が実数解と虚数解両方を持つ \theta の値の範囲を求めなさい。

(2) \theta が(1)で求めた範囲を動くとき、方程式 f(\theta )=0の実数解 \alpha のとりうる値の範囲を求めなさい。

 

・以下の問いに答えなさい。

(1) n自然数とする。 2^{3n} 7で割ったときの余りが 1であることを数学的帰納法を用いて示しなさい。

(2) s自然数とする。初項 2^{49}、公比 \displaystyle \frac{s^{2}}{2}等比数列 \{ a_{n}\} とするとき

 \displaystyle (s^{2}-2)\sum_{n=1}^{50}a_{n}

を求めなさい。

(3) 3^{100} 7で割った余りを求めなさい。

今回の問題について

難易度は☆☆☆☆です。

係数に三角関数が含まれる方程式と 3^{100} 7で割った余りを求める問題です。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回の問題の解説

(1)前期日程第3問です。

虚数解を含むと考えられるのは

 \displaystyle x^{2}-(2\sin{\theta })x-2\cos^{2}{\theta }-\frac{\sqrt{3}-1}{2}\cos{\theta }+\frac{\sqrt{3}}{4}+1=0

ですので、この方程式の判別式を Dとすると

 \displaystyle D/4=\cos^{2}{\theta }+\frac{\sqrt{3}-1}{2}\cos{\theta }+\frac{\sqrt{3}}{4}

となります。条件は D\lt 0ですので、この不等式は \displaystyle -\frac{\sqrt{3}}{2}\lt \cos{\theta }\lt \frac{1}{2}を満たします。

このような \theta の範囲を求めると

 \displaystyle \frac{\pi }{3}\lt \theta \lt \frac{5}{6},\ \frac{7}{6}\pi \lt \theta \lt \frac{5}{3}\pi

となります。

 \displaystyle \alpha =\sqrt{3}\sin{\theta }+\cos{\theta }=2\sin{\left( \theta +\frac{\pi }{6}\right) }

ですので、 \theta が先ほど求めた範囲を動くとき

 \displaystyle -1\leqq \sin{\left(\theta +\frac{\pi }{6}\right)}\lt -\frac{1}{2},\ 0\lt \sin{\left( \theta +\frac{\pi }{6}\right) }\lt 1

ですので

 -2\leqq \alpha \lt -1,\ 0\lt \alpha \lt 2

となります。

(2)前期日程第4問です。

 n=1のとき 2^{3n}=8で、このとき 7で割った余りは 1となります。

 n=kのとき 2^{3k}\equiv 1\ (mod 7)が正しいと仮定すると

 2^{3(k+1)}=2^{3k}\cdot 8\equiv 1\cdot 1=1(mod7)

となり、 n=k+1のときも正しいことが示せます。したがって、すべての自然数 nについて 2^{3n} 7で割ったときの余りは 1となります。

等比数列の和 \displaystyle \sum_{k=1}^{n}r^{k-1}=\frac{1-r^{n}}{1-r}の公式を用いると

 \displaystyle (s^{2}-2)\sum_{n=1}^{50}a_{n}=(s^{2}-2)\frac{2-2\cdot \left( \frac{s^{2}}{2}\right) ^{50}}{2-s^{2}}\times 2^{49}

 \displaystyle =s^{100}-2^{50}

となります。

この式において s=3とすると、左辺は 3^{2}-2=7の倍数ですので 3^{100}-2^{50} 7で割り切れます。

 2^{48}=2^{3\times 16} 7で割った余りは 1ですので、 2^{50} 7で割った余りは 2^{2}=4 7で割った余りに等しくなります。

したがって、 3^{100} 7で割った余りは 7であることがわかります。

いかがだったでしょうか?

第3問は解の判別と三角関数の基本性質、第4問は整数の余りの性質と等比数列の和の公式をおさえていれば解ける問題でした。

複数の単元の知識が必要になりますが、それをいかに適切に引き出せるかがポイントになりそうです。

数学の知識が自由自在に操れたら良いのになぁ…というような問題が国公立の2次試験では多いような気がします。

 

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