マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

芦屋大学の問題【2021年一般入試】

ご訪問ありがとうございます!

解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

目次

今回の問題
問題の難易度について
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
第6問
第7問
いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回の問題

このブログで一番アクセスが多かった芦屋大学の問題を解説したいと思います。

問題文については各問題ごとに記載します。

以前の記事はコチラです。↓

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回は全問を解説していきます。

問題の難易度について

難易度は☆☆です。

全体的に基礎問題です。定期テスト対策として使っても良さそうなレベルです。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

問題と問題の解説(第1問)

第1問

(1) (2a-3b+1)^{2}を展開せよ。

(2) 6x^{2}-7xy-5y^{2}因数分解せよ。

第1問の解説

(1)次の式を展開公式として覚えておくと便利です。

 (x+y+z)^{2}=x^{2}+y^{2}+z^{2}+2xy+2yz+2zx

この式で、 x=2a,\ y=-3b,\ z=1を代入すると

 (2a-3b+1)^{2}=4a^{2}+9b^{2}+1-12ab-6b+4a

このままでも正解ですが、次のように整理しておくと答えがきれいに見えます。

 (2a-3b+1)^{2}=4a^{2}-12ab+9b^{2}+4a-6b+1

(2)たすき掛けを使う問題です。

 6x^{2}-7xy-5y^{2}=(2x+y)(3x-5y)

となります。たすき掛けが苦手だったり、やり方を覚えられない、もしくは覚えたくない!って方は与えられている式を x2次方程式と思って次のように解くと因数分解ができます。

 6x^{2}-7xy-5y^{2}=0を解の公式を用いて求めると

 \begin{eqnarray*} x&=&\frac{7y\pm \sqrt{49y^{2}-4\cdot 6\cdot (-5y^{2})}}{2\cdot 6}\\ &=&\frac{7y\pm \sqrt{49y^{2}+120y^{2}}}{12}\\ &=&\frac{7y\pm \sqrt{169y^{2}}}{12}\\ &=&\frac{7y\pm 13y}{12}\\ &=&\frac{5y}{3},\ -\frac{y}{2}\end{eqnarray*}

したがって \displaystyle 6x^{2}-7xy-5y^{2}=6\left( x-\frac{5y}{3}\right) \left( x+\frac{y}{2}\right)因数分解できますので、これを整理すると

 6x^{2}-7xy-5y^{2}=(3x-5y)(2x+y)

となります。

問題と問題の解説(第2問)

第2問

(1)2次関数 y=x^{2}-2x+1の軸の方程式、頂点の座標、最小値を求めよ。

(2)3点 A(0,-4),\ B(1,0),\ C(-2,0)を通る2次関数を求めよ。

第2問の解説

(1)2次関数の軸の方程式や頂点、関数の最大値および最小値を求めるには平方完成を行います。2次関数の式が

 y=a(x-p)^{2}+q…①

と表される場合、軸の方程式は x=p、頂点の座標は (p,q) a\gt 0のとき2次関数は x=pのとき最小値 qをとり、 a\lt 0のとき x=pのとき最大値 qをとります。今回の2次関数の式を平方完成すると

 y=(x-1)^{2}

となります。①の式と見比べると a=1\gt 0,\ p=1,\ q=0となっています。したがって、軸の方程式は x=1、頂点の座標は (1,0) x=1のとき最小値 0をとることがわかります。

(2)3点を通る2次関数の式を求めるには、普通であれば y=ax^{2}+bx+cの式に点の座標を代入して a,\ b,\ cに関する連立方程式を立てて、その方程式を解きます。今回の問題の場合は、点 A(0,-4)を通りますので、 x=0,\ y=-4を代入して c=-4が得られます。残りの2点 B(1,0),\ C(-2,0)を通ることから、同じようにして式を組み立てます。そうすると、次の連立方程式を立てることができます。

 \begin{eqnarray*} \left\{ \begin{array}{ccc} c&=&-4\\ a+b+c&=&0\\ 4a-2b+c&=&0\end{array}\right.\end{eqnarray*}

この連立方程式を解くと a=2,\ b=2,\ c=-4となりますので、求める2次関数の式は y=2x^{2}+2x-4となります。

今回の問題の場合は、 y軸上の2点 B(1,0),\ C(-2,0)を通りますので、求める2次関数の式は

 y=a(x-1)(x+2)…②

とおくことができます。点 A(0,-4)を通ることから、 x=0,\ y=-4を②の式に代入すると aに関する方程式

 -4=-2a

が得られます。この方程式を解くと a=2となりますので、求める2次関数の式は y=2(x-1)(x+2)となります。これを展開すると y=2x^{2}+2x-4となります。

問題と問題の解説(第3問)

第3問

10個のデータがある。そのうちの6個のデータの平均は3、分散は9である。残り4個のデータの平均は8、分散は14である。この10個のデータの平均値と分散を求めよ。

第3問の解説

10個のデータを x_{1},\ x_{2},\ \cdots x_{10}とおきます。問題文の条件から、 x_{1},\ x_{2},\cdots x_{6}のデータの平均を3、分散を9、残りのデータの平均を8、分散を14とします。このとき

 \displaystyle \frac{1}{6}(x_{1}+x_{2}+x_{3}+x_{4}+x_{5}+x_{6})=3

ですので、この6つのデータの合計は18となります。残りのデータの合計は

 \displaystyle \frac{1}{4}(x_{7}+x_{8}+x_{9}+x_{10})=8

より32となります。よって、この10個のデータの合計値は 18+32=50となりますので、平均値は \displaystyle \frac{1}{10}\times 50=5となります。

分散については「2乗の平均」から「平均の2乗」を引くと求めることができます。このことを使うと

 \displaystyle \frac{1}{6}(x^{2}_{1}+x^{2}_{2}+x^{2}_{3}+x^{2}_{4}+x^{2}_{5}+x^{2}_{6})-9=9

であることより x^{2}_{1}+x^{2}_{2}+x^{2}_{3}+x^{2}_{4}+x^{2}_{5}+x^{2}_{6}=108となります。同じようにして

 x^{2}_{7}+x^{2}_{8}+x^{2}_{9}+x^{2}_{10}=312

と求めることができます。10個のデータの平均値が5であることは先ほど求めたとおりですので、これを用いると、10個のデータの分散は

 \begin{eqnarray*} \frac{1}{10}(x^{2}_{1}+x^{2}_{2}+x^{2}_{3}+\cdots +x^{2}_{10})-25&=&\frac{1}{10}(108+312)-25\\ &=&42-25\\ &=&17\end{eqnarray*}

となります。

問題と問題の解説(第4問)

第4問

 \displaystyle \sin{\theta }+\cos{\theta }=\frac{1}{2}\ (0^{\circ }\leqq \theta \leqq 180^{\circ })のとき、以下の問いに答えよ。

(1) \sin{\theta }\cos{\theta }を求めよ。

(2) \sin{\theta }-\cos{\theta }を求めよ。

第4問の解説

三角関数に関する問題は \sin^{2}{\theta }+\cos^{2}{\theta }=1という条件がいつでも成り立つことに注意してください。

(1)先ほどの条件をあぶり出すために、与えられている条件式の両辺を2乗します。そうすると

 \begin{eqnarray*} (\sin{\theta }+\cos{\theta })^{2}&=&\frac{1}{4}\\ \sin^{2}{\theta }+2\sin{\theta }\cos{\theta }+\cos^{2}{\theta }&=&\frac{1}{4}\\ 1+2\sin{\theta }\cos{\theta }&=&\frac{1}{4}\\ 2\sin{\theta }\cos{\theta }&=&-\frac{3}{4}\\ \sin{\theta }\cos{\theta }&=&-\frac{3}{8}\end{eqnarray*}

というように \sin{\theta }\cos{\theta }の値を求めることができます。

(2)(1)より、 \sin{\theta }\cos{\theta }\lt 0ですが、 0^{\circ }\leqq \theta \leqq 180^{\circ }より \sin{\theta }\gt 0となります。したがって \cos{\theta }\lt 0であることがわかります。よって、 \sin{\theta }-\cos{\theta }\gt 0であることがわかります。これを考慮して

 \begin{eqnarray*} (\sin{\theta }-\cos{\theta })^{2}&=&\sin^{2}{\theta }-2\sin{\theta }\cos{\theta }+\cos^{2}{\theta }\\ &=&1-2\times \left( -\frac{3}{8}\right) \\ &=&1+\frac{3}{4}\\ &=&\frac{7}{4}\end{eqnarray*}

という計算により \displaystyle \sin{\theta }-\cos{\theta }=\frac{\sqrt{7}}{2}となります。

問題と問題の解説(第5問)

第5問

次の方程式を解け。

(1) (\log_{5}{x})^{2}-\log_{5}{x^{3}}+2=0

(2) \log_{3}{9x}-6\log_{x}{9}=3

第5問の解説

(1)対数関数の性質 \log_{a}{P^{n}}=n\log_{a}{P}を用いて方程式を解きます。与えられた式を変形すると

 (\log_{5}{x})^{2}-3\log_{5}{x}+2=0

となります。見通しを良くするために \log_{5}{x}=tとおくと、方程式は

 t^{2}-3t+2=0

となります。この方程式を解くと

 \begin{eqnarray*} t^{2}-3t+2&=&0\\ (t-1)(t-2)&=&0\end{eqnarray*}

よって、 t=1,\ 2となりますが、置き換えを元に戻して \log_{5}{x}=1,\ 2となります。したがって、対数関数の定義 a^{x}=P\Leftrightarrow x=\log_{a}{P}より x=5,\ 25となります。

(2)対数関数の性質 \log_{a}{bc}=\log_{a}{b}+\log_{a}{c}と対数関数の底の変換公式 \displaystyle \log_{a}{b}=\frac{\log_{c}{b}}{\log_{c}{a}}を用いて方程式を解いていきます。次のように解いていきます。

 \begin{eqnarray*} \log_{3}{9x}-6\log_{x}{9}&=&3\\ (\log_{3}{9}+\log_{3}{x})-6\frac{\log_{3}{9}}{\log_{3}{x}}&=&3\\ \log_{3}{x}+2-6\frac{2}{\log_{3}{x}}-3&=&0\\ \log_{3}{x}-1-12\frac{1}{\log_{3}{x}}&=&0\\ (\log_{3}{x})^{2}-\log_{3}{x}-12&=&0\\ (\log_{3}{x}+3)(\log_{3}{x}-4)&=&0\end{eqnarray*}

したがって \log_{3}{x}=-3,\ 4となりますので、対数関数の定義から \displaystyle x=\frac{1}{27},\ 81となります。

問題と問題の解説(第6問)

第6問

関数 f(x)=x^{3}+kx^{2}+(-k^{2}+12)x+4 x=1で極小値をもつとき、定数 kの値を求めよ。

第6問の解説

極値に関する問題は導関数を求めておくと後々楽になります。

 \displaystyle \frac{df}{dx}=3x^{2}+2kx-k^{2}+12

 f(x)導関数となります。極値を持つ条件は「導関数の符号が変動する」ことですので、 x2次方程式 \displaystyle \frac{df}{dx}=0が異なる2つの実数解を持つことが条件となります。この条件をクリアするような kの値の範囲を求めます。 3x^{2}+2kx-k^{2}+12=0の判別式を Dとすると

 \begin{eqnarray*} D/4&=&k^{2}-3(-k^{2}+12)\\ &=&4k^{2}-36\\ &=&4(k^{2}-9)\\ &=&4(k+3)(k-3)\end{eqnarray*}

となります。求めるべき条件は D\gt 0ですので、不等式を解くと k\lt -3,\ 3\lt k…①となります。これが kの満たすべき値の範囲です。

 x=1で極小値を持ちますので、 f(1)=0を満たします。この式から

 -k^{2}+2k+15=0

という方程式が出てきます。この方程式を解くと

 \begin{eqnarray*} -k^{2}+2k+15&=&0\\ k^{2}-2k-15&=&0\\ (k-5)(k+3)&=&0\end{eqnarray*}

①の条件より k=5となります。このとき、関数 f(x)

 f(x)=x^{3}+5x^{2}-13x+4

となり、この導関数

 \displaystyle \frac{df}{dx}=3x^{2}+10x-13=(3x+13)(x-1)

となります。このとき、関数 f(x)の増減は以下のようになります。

 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c}\hline x&\cdots &\displaystyle -\frac{13}{3}&\cdots &1&\cdots \\ \hline \displaystyle \frac{df}{dx}&+&0&-&0&+\\ \hline f(x)&\nearrow &極大値&\searrow &極小値&\nearrow \\ \hline \end{array}

この増減表を見ると x=1で極小値をとることがわかります。

問題と問題の解説(第7問)

第7問

関数 \displaystyle y=\log_{2}{\left( \frac{x}{2}+3\right) }のグラフは、関数 y=\log_{2}{x} x軸方向と y軸方向にそれぞれ、どれだけ平行移動したグラフであるか求めよ。

第7問の解説

一般に、関数 y=f(x)のグラフを x軸方向に p y軸方向に qだけ平行移動したグラフの式は y=f(x-p)+qとなります。対数関数の性質を使って与えられている式を変形していくと

 \begin{eqnarray*} \log_{2}{\left( \frac{x}{2}+3\right) }&=&\log_{2}{\frac{1}{2}(x+6)}\\ &=&\log_{2}{\frac{1}{2}}+\log_{2}{(x+6)}\\ &=&\log_{2}{(x+6)}-1\end{eqnarray*}

となります。したがって、 f(x)=\log_{2}{x}とおくと、 \displaystyle y=\log_{2}{\left( \frac{x}{2}+3\right) } y=f(x+6)-1の形をしています。このことから \displaystyle y=\log_{2}{\left( \frac{x}{2}+3\right) }のグラフは y=\log_{2}{x}のグラフを x軸方向に -6 y軸方向に -1だけ平行移動したグラフであることを意味していることがわかります。

いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

全体を通して基礎的な問題ばかりでした。

これが入試問題かと思うと、非常にオイシイ問題ですね。

今年から芦屋大学の数学の問題の傾向が変わりましたが、それでも共通テストの過去問や教科書の節末問題・章末問題が解ければ十分なレベルです。

センター試験の過去問、共通テストの過去問をやっていけばこの大学の合格は容易いのではないでしょうか。

逆に言うと、このレベルが解けないと大学入試に数学がある場合は赤信号が灯りますので、まずはこの問題が解けるようにしておいたほうが良さそうです。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

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