マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

徳島県教員採用試験の問題【2018年中高共通第6問】

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目次

今回の問題
今回の問題の原文(記述式)
今回の問題について
今回の問題の解説
いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回の問題

今週は2018年実施の徳島県教員採用試験専門教養数学の問題です。

今回は中高共通第1問です。

今回の問題の原文(記述式)

 pを実数とする。 xの3次方程式 x^{3}+(p-1)x^{2}+px-2p=0…①について、次の(1)・(2)の問いに答えなさい。

(1)方程式①が異なる3つの実数解を持つとき、 pの値の範囲を求めなさい。

(2)(1)のとき、①の異なる3つの実数解が、数直線上で等間隔に並ぶような pの値を求めなさい。

今回の問題について

難易度は☆☆☆☆です。

3次方程式の解に関する問題です。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回の問題の解説

因数定理が使えないかを考えてみる

 f(x)多項式であるとき、 f(\alpha )=0が成り立つとき、多項式 f(x) (x-\alpha )に因数を持つというのが因数定理の主張です。この定理が使えないかどうかを考えます。方程式の左辺を f(x)とおくと

 f(x)=x^{3}+(p-1)x^{2}+px-2p

ですが、これは多項式ですので、因数定理が使える形です。 pの係数に注目すると、 x=1にすると f(x)=0になりそうです。実際に代入して計算していくと

 \begin{eqnarray*} f(1)&=&1+(p-1)+p-2p\\ &=&1+p-1+p-2p=0\end{eqnarray*}

となりますので、 f(x) (x-1)を因数に持ちます。したがって組立除法等を用いて f(x)因数分解すると

 f(x)=(x-1)(x^{2}+px-2p)

となります。

判別式を使って解の個数が3つになるときを考える

方程式は f(x)=0です。先ほど因数分解から x=1または x^{2}+px+2p=0がこの3次方程式の解になります。問題なのは後者の x^{2}+px+2p=0の解の個数です。これを調べる必要があります。 x2次方程式 x^{2}+px+2p=0の判別式を Dとすると

 D=p^{2}-8p

となります。2次方程式が異なる2つの実数解を持つ条件は D\gt 0ですので、この2次不等式を解くと p\lt 0,8\lt pとなります。単純に考えると pがこの値の範囲内であれば、最初の3次方程式は異なる3つの実数解を持ちます。ところが、 f(x)因数分解から (x-1)を因数に持ちますので xの方程式 x^{2}+px+2p=0 x=1の解を持つと3次方程式の解の個数が2個になってしまいます。そうなるような pの値を求めると 1+p+2p=0より \displaystyle p=-\frac{1}{3}となります。よって、3次方程式が異なる3つの実数解を持つような pの値の範囲は

 \displaystyle p\lt -\frac{1}{3},\ -\frac{1}{3}\lt p\lt 0,\ 8\lt p

となります。

3つの解が数直線上で等間隔になるような pの値を求める

 x2次方程式 x^{2}+px+2p=0の2つの解を \alpha ,\ \beta とし、この2つの数の大小関係を \alpha \lt \beta とします。2次方程式の解と係数の関係から

 \alpha +\beta =-p,\ \alpha \beta =2p

が成り立ちます。この2つの式から

 \alpha \beta +2\alpha +2\beta =0…②

が得られます。ここから3つの解の大小関係で場合分けをして考えます。

 1\lt \alpha \lt \beta のとき

 \alpha  \beta はともに1より大きいので

 \alpha \beta +2\alpha +2\beta \gt 1\times 1+2+2=5

が必ず成り立ちますので、 \alpha \beta +2\alpha +2\beta=0を満たすような実数 \alpha,\ \beta は存在しません。

 \alpha \lt 1\lt \beta のとき

この大小関係とこの3数が数直線上で等間隔に並んでいることから

 1-\alpha =\beta -1

が成り立ちます。この式を変形すると \alpha +\beta =2となりますので、先ほどの2次方程式の解と係数の関係から p=-2となります。

 \alpha \lt \beta \lt 1のとき

この大小関係とこの3数が数直線上で等間隔に並んでいることから

 \beta -\alpha =1-\beta

が成り立ちます。この式を変形すると \alpha =2\beta -1となります。これを②の式に代入すると、 \beta 2次方程式

 2\beta ^{2}+5\beta -2=0

が得られます。この方程式を解くと \displaystyle \beta =\frac{-19\pm 3\sqrt{41}}{4}となります。それぞれの場合の \alpha の値を求めると \displaystyle \alpha =\frac{-7\pm \sqrt{41}}{2}(複合同順)となりますので、それぞれで pの値を求めると \displaystyle p=\frac{19\pm 3\sqrt{41}}{4}となります。

いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

解の個数を求めるところまでは大学入試でもよく出るので易しい問題ではないかと思います。

後半の pの値を求めるところが難しかったです。

解の大小関係と解と係数の関係を上手く使わないといけないところが難しいところでした。

 

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