マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

徳島県教員採用試験の問題【2015年中高共通第4問】

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今週は2015年実施の徳島県教員採用試験専門教養数学の問題です。

今回は中高共通第4問です。

今回の問題の原文

正の実数からなる数列 \{ a_{n}\}の初項から第 n後までの和を S_{n}とおく。数列 \{ a_{n}\} 4S_{n}=a^{2}_{n}+4n\ (n=1,2,3,\cdots )を満たすとき、次の(1)・(2)の問いに答えなさい。

(1) a_{1},\ a_{2},\ a_{3}を求めなさい。

(2) a_{n}を予想し、それが正しいことを数学的帰納法により証明しなさい。

今回の問題について

難易度は☆☆☆☆です。

漸化式から一般項を予想して、それが正しいことを証明する問題です。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回の問題の解説

関係式から数列の一般項を求めていきますが、変形ができない場合は予想してそれが正しいことを数学的帰納法を用いて証明します。

具体的に数列の項を求めてみる

今回の数列に関して、関係式に a^{2}_{n}が含まれていますので変形することを考えるのが困難です。そこで用いられる解法として「一般項を予想して数学的帰納法でそれが正しいことを証明する」方法です。

まずは予想できるところまで数列の項を求めていきます。

 S_{n}は数列 \{ a_{n}\}の初項から第 n項までの和ですので、 S_{1}=a_{1}となります。よって、関係式で n=1とすると

 4a_{1}=a^{2}_{1}+4

となります。これを a_{1}の方程式と見て解くと a_{1}=2となります。

同じように a_{2}を求めていきます。ここでは S_{2}=a_{1}+a_{2}であることに注意します。また a_{1}=2であることは先ほど求めた通りです。関係式で n=2とすると

 4(a_{1}+a_{2})=a^{2}_{2}+8

となります。これを a_{2}の方程式と見て解いていくと

 \begin{eqnarray*} 4(2+a_{2})&=&a^{2}_{2}+8\\ 8+4a_{2}&=&a^{2}_{2}+8\\ a^{2}_{2}-4a_{2}&=&0\\ a_{2}(a_{2}-4)&=&0\end{eqnarray*}

 a_{2}は正の実数ですので a_{2}=4となります。

また同じように a_{3}を求めていきます。 S_{3}=a_{1}+a_{2}+a_{3}=6+a_{3}であることに注意します。関係式で n=3とすると

 4(6+a_{3})=a^{2}_{3}+12

となります。これを a_{3}の方程式と見て解いていくと

 \begin{eqnarray*} 24+4a_{3}&=&a^{2}_{3}+12\\ a^{2}_{3}-4a_{3}-12&=&0\\ (a_{2}-6)(a_{2}+2)&=&0\end{eqnarray*}

 a_{3}は正の実数ですので a_{3}=6となります。

ここまでで a_{1}=2,\ a_{2}=4,\ a_{3}=6であることがわかりましたので、 a_{n}=2nと予想できます。

この予想が正しいことは、次のように数学的帰納法を用いて証明します。

予想が正しいことの証明

 n=1のとき、 a_{1}=2=2\times 1であるので予想は正しい。

 n=kのとき予想が正しいと仮定する。

 n=k+1のとき、関係式から

 \begin{eqnarray*} 4(S_{k+1}-S_{k})&=&a^{2}_{k+1}-a^{2}_{k}+4\\ 4a_{k+1}&=&a^{2}_{k+1}-4k^{2}+4\\ a^{2}_{k+1}-4a_{k+1}-4(k^{2}-1)&=&0\\ \{ a_{k+1}-(2k+2)\} \{ a_{k+1}+(2k-2)\} &=&0\end{eqnarray*}

 a_{k+1}は正の実数なので a_{k+1}=2k+2=2(k+1).したがって、このときも予想は正しい。

以上からすべての自然数 nについて a_{n}=2n.

いかがだったでしょうか?

具体的に数値を求めて数列の一般項を予想するところまではすんなり行くと思います。

その後の数学的帰納法を用いた証明を行うのが大変です。

計算の技術も要しますので、この手の問題は演習を重ねておいたほうが良さそうです。

 

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