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解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!
今週は教員採用試験で出題された総合問題です。
今回は2002年新潟県教員採用試験で出題された数学的帰納法の問題です。
今回の問題について
難易度は☆☆☆です。
数学的帰納法に関する指導法の問題です。数学的帰納法を知っていれば解けるように設定しましたのでこの難易度とさせていただきます。
実際の問題文は次のようになっています。
数学的帰納法を導入する場面で「すべての自然数においては13で割り切れる」という命題が正しいかどうかをクラスの生徒に少し時間を与え、考えさせた。Aさんを指名したところ「が3までのときは正しい」と答えた。証明はできないかと尋ねたところ、Bさんは「すべての自然数については調べられません」と答えた。これらの生徒の反応を利用して数学的帰納法の証明方法を指導したい。クラス生徒全員が意欲的に取り組むためにあなたならどのような指導をしますか。具体的に述べよ。
難易度表記については以下の記事をご参照ください。
red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com
今回の問題の解説
今回は教員採用試験特有の問題である指導法についての問題です。
教えるには教える本人が一番理解しておかなければなりませんが、数学を教える立場でなくても理解を深めるにはとても良い問題かと思います。
数学的帰納法は自然数に関する命題に対してよく使われる証明方法です。
数学的帰納法による証明の手順は次のようになります。
①のとき成り立つことを確かめる。
②のとき命題が成り立つことを仮定してのとき成り立つことを証明する。
今回の「すべての自然数においては13で割り切れる」という命題も自然数に関する命題ですので、数学的帰納法を使って証明します。
この命題を証明してみます。
①のとき
となり、これは13で割り切れる。
②のとき命題が成り立つと仮定する。すなわち、整数を用いて
と表されるとする。
のとき
は整数なので、これは13で割り切れる。
したがってすべての自然数については13で割り切れる。
この解答においてはわかりやすくするために①、②と番号を振りましたが、試験等で解答する場合は不要です。
数学的帰納法はこのように証明を行います。
この証明法を知った上でAさんやBさんのような生徒たちをどのように導けば良いのでしょうか?というところが今回の問題の意図かと思われます。
AさんもBさんもから順番にの値を代入して命題が正しいことを確認をしようとしています。
順番に命題が正しいことを確認するのも良いでしょうが、次のような不安材料があります。
・まではたまたま13で割切れたが、4以上の自然数においては13で割り切れない場合があるかもしれない。
・自然数に最大値がないので永遠に調べていかなければならない。
この2つのことを解決していかなければなりません。
1つ目の問題を解決させるために、問題の「先生の板書」のようなことを考えてみました。
これは具体的にとに値を定めて数学的帰納法による証明と同様な計算を行いました。
この計算方法と同じようにすればが5以上の自然数についても命題が正しいことが言えそうです。
ですが、どこまでやれば良いのか?という問題が残ります。これが2つ目の問題です。
それを解決するには一般化を行います。
のときはのときが正しいとして13で割り切れることを確かめました。
これと同じようにしてのとき命題が正しいと仮定してのとき正しいことを証明します。
この証明が完了できれば、同じようにしてが以上の自然数でも成り立つことが言えますので、これですべての自然数において命題が正しいということができます。
いかがだったでしょうか?
解くだけなら大学入試で訓練されているので難しくはないですが、指導法を考えるとなると難しいですね。
教員採用試験特有の問題として他に生徒の解答の間違いを指摘する問題があります。
来週はそのような問題を扱ってみようと思います。
それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/
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