マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

倉敷芸術科学大学の過去問【2006年A日程必須問題】

ご訪問ありがとうございます!

解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

目次

今回の問題
問題の難易度について
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
第6問
いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回の問題

今回の問題は倉敷芸術科学大学2006年一般入試のA日程必須問題です。

証明問題があるので少し難しいかもしれません。

問題の難易度について

難易度は☆☆☆です。

出題範囲は当時の数学Ⅰ・数学Aの範囲ですが、少し手応えのある問題かと思います。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

問題と問題の解説(第1問)

第1問

 m \sqrt{m}無理数となるような自然数とする。 \sqrt{m}の整数部分を a、小数部分を bとするとき、 \displaystyle b+\frac{1}{b}=2\sqrt{m}となるための必要十分条件 m=a^{2}+1であることを示せ。

第1問の解説

証明するべき命題は

(1) \displaystyle b+\frac{1}{b}=2\sqrt{m}ならば m=a^{2}+1

(2) m=a^{2}+1ならば \displaystyle b+\frac{1}{b}=2\sqrt{m}

 2つです。

必要十分条件」と言っていますので、これら 2つの命題が真であることの証明が必要となります。

まずは(1)の方の命題を証明します。

 \sqrt{a}の整数部分を a、小数部分を bとおいていますので、 \sqrt{m}=a+b…①となります。

①の式を変形すると b=\sqrt{m}-aとなります。

この四季を使って \displaystyle b+\frac{1}{b}を計算してみると

 \begin{eqnarray*} b+\frac{1}{b}&=&(\sqrt{m}-a)+\left( \frac{1}{\sqrt{m}-a}\right) \end{eqnarray*}

となります。仮定より \displaystyle b+\frac{1}{b}=2\sqrt{m}ですので、これを上の式に代入すると

 \begin{eqnarray*} 2\sqrt{m}&=&\underline{\sqrt{m}-a}+\frac{1}{\sqrt{m}-a}\end{eqnarray*}

となります。上の式の右辺の下線部を左辺に移項すると

 \begin{eqnarray*} \sqrt{m}+a&=&\frac{1}{\sqrt{m}-a}\end{eqnarray*}

となりますので、この式を変形していくと

 \begin{eqnarray*} (\sqrt{m}+a)(\sqrt{m}-a)&=&1\\ m-a^{2}&=&1\\ m&=&a^{2}+1\end{eqnarray*}

となります。

これで結論の m=a^{2}+1が得られましたので、証明ができたということになります。

続いて、(2)の命題の証明をします。

仮定は m=a^{2}+1ですので、この式を変形すると m-a^{2}=1となります。

さらに、次のように変形していきます。

 \begin{eqnarray*} (\sqrt{m}-a)(\sqrt{m}+a)&=&1\\ \sqrt{m}+a&=&\frac{1}{\sqrt{m}-a}\end{eqnarray*}

これにより、 \displaystyle \frac{1}{\sqrt{m}-a}=\sqrt{m}+a…②が得られました。

 \sqrt{m}=a+bですので、 b=\sqrt{m}-aです。

これを使って、 \displaystyle b+\frac{1}{b}を計算していくと、②より

 \begin{eqnarray*} b+\frac{1}{b}&=&\sqrt{m}-a+\frac{1}{\sqrt{m}-a}\\ &=&\sqrt{m}-a+\sqrt{m}+a\\ &=&2\sqrt{m}\end{eqnarray*}

となり、結論の \displaystyle b+\frac{1}{b}=2\sqrt{m}が得られます。

ここまでで(1)の命題と(2)の命題の両方が真であることが証明できましたので、 \displaystyle b+\frac{1}{b}=2\sqrt{m}となるための必要十分条件 m=a^{2}+1であることが示せた、ということになります。

問題と問題の解説(第2問)

第2問

 2次関数 y=2x^{2}+4x-1のグラフについて次の問いに答えよ。

(1) x=1に関して対称な放物線を求めよ。

(2) y=1に関して対称な放物線を求めよ。

第2問の解説

今回の問題は放物線の頂点から考えていくとわかりやすいかと思います。

放物線 y=2x^{2}+4x-1を平方完成すると y=2(x+1)^{2}-3となりますので、この放物線の頂点は (-1,-3)です。

(1)点 (-1,-3)と直線 x=1に関して対称な点は (3,-3)です。

直線 x=1 y軸と平行な直線ですが、 y軸に平行な直線と対称な放物線は、グラフの凹凸(上に凸か下に凸か)は変わりませんので求める放物線は

 y=2(x-3)^{2}-3

となります。これの左辺を展開すると

 y=2x^{2}-12x+15

となります。

(2)点 (-1,-3)と直線 y=1に関して対称な点は (-1,5)です。

直線 y=1 x軸と平行な直線ですが、 x軸に平行な直線と対称な放物線は、グラフが上に凸か下に凸かというところが逆になります。

したがって、求める放物線の式は

 y=-2(x+1)^{2}+5

となります。この式の右辺を展開すると

 y=-2x^{2}-4x+3

となります。

問題と問題の解説(第3問)

第3問

 \triangle ABCにおいて、 \sin{A}:\sin{B}:\sin{C}=2:3:3であり、その内接円の半径が 1のとき、 \triangle ABCの面積を求めよ。

第3問の解説

 \triangle ABCにおいて、 BC=a,\ CA=b,\ AB=c \triangle ABCの外接円の半径を Rとすると、次の正弦定理が成り立ちます。

 \displaystyle \frac{a}{\sin{A}}=\frac{b}{\sin{B}}=\frac{c}{\sin{C}}=2R

この正弦定理から

 a=2R\sin{A},\ b=2R\sin{B},\ c=2R\sin{C}

が成り立ちますので

 a:b:c=\sin{A}:\sin{B}:\sin{C}

であることが言えます。

問題の条件から \sin{A}:\sin{B}:\sin{C}=2:3:3ですので、 a:b:c=2:3:3です。

したがって、 \displaystyle b=c=\frac{3}{2}aであることがわかります。

よって、 \triangle ABC b=c二等辺三角形ですので、三平方の定理を使って底辺を BCと見たときの三角形の高さを求めると、その高さは \displaystyle \sqrt{2}aとなります。

 \triangle ABCの面積は

 \displaystyle \frac{1}{2}\times a\times \sqrt{2}a=\frac{\sqrt{2}}{2}a^{2}

となります。

また、 \triangle ABCの内接円の半径が 1ですので、 \triangle ABCの面積を Sとすると

 \displaystyle S=\frac{1}{2}(a+\frac{3}{2}a+\frac{3}{2}a)\times 1(=2a)

となりますので、以上のことから

 \displaystyle \frac{\sqrt{2}}{2}a^{2}=2a

が成り立ちます。この方程式を解くと、 a\gt 0であることから a=2\sqrt{2}が出ますので、 \triangle ABCの面積は 4\sqrt{2}となります。

問題と問題の解説(第4問)

第4問

赤球が 3個、白球が 3個入った袋の中から、よくかき混ぜてから同時に 2個取り出し、色を確認してもとに戻す。この施行を 2回繰り返すとき、取り出される 4個のうち 2個が赤球、 2個が白球である確率を求めよ。

第4問の解説

球の取り出し方は、袋に入っている 6個の球から同時に 2個同時に取り出して、それをもとに戻し、もう一度同時に 2個取り出すので全部で _{6}C_{2}\times _{6}C_{2}=225通りの取り出し方があります。

取り出した 4個の球のうち、 2個が赤球、 2個が白球である取り出し方は次の 3つの場合が考えられます。

(1) 1回目に取り出した 2つの球が両方赤球、 2回目に取り出した 2つの球が両方とも白球

(2) 1回目に取り出した 2つの球が両方白球、 2回目に取り出した 2つの球が両方とも赤球

(3) 1回目も 2回目も取り出した 2つの球が赤球と白球 1個ずつ

(1)と(2)の取り出し方の総数はともに _{3}C_{2}\times _{3}C_{2}=9通りあります。

また、(3)の取り出し方は (_{3}C_{1}\times _{3}C_{1})\times (_{3}C_{1}\times _{3}C_{1})=81通りあります。

(1)〜(3)は同時には起こりませんので、確率の和の法則より求める確率は

 \displaystyle \frac{18+81}{225}=\frac{11}{25}

となります。

問題と問題の解説(第5問)

第5問

次の設問に答えよ。

(1) a^{4}+a^{2}b^{2}+b^{4}因数分解せよ。

(2) a,\ b 3で割り切れない数とするとき、 a^{4}+a^{2}b^{2}+b^{4} 3で割り切れることを証明せよ。

第5問の解説

(1)少し工夫が必要ですが、次のように考えていくと良いかと思います。

 \begin{eqnarray*} a^{4}+a^{2}b^{2}+b^{4}&=&a^{4}+2a^{2}b^{2}+b^{4}-a^{2}b^{2}\\ &=&(a^{2}+b^{2})^{2}-(ab)^{2}\\ &=&(a^{2}+b^{2}+ab)(a^{2}+b^{2}-ab)\end{eqnarray*}

(2) a b 3で割り切れない数とすると、 a^{2} b^{2} 3で割ると 1余る数となります。

また、 ab 3で割ると 1または 2余る数となるので

 ab 3で割ると 1余る数のとき、 a^{2}+b^{2}+ab 3の倍数

 ab 3で割ると 2余る数のとき、 a^{2}+b^{2}-ab 3の倍数

であることが言えます。

したがって、(1)より a^{4}+a^{2}b^{2}+b^{4} a,\ b 3で割り切れない数であるとき 3の倍数になると言えます。

問題と問題の解説(第6問)

第6問

四辺形 ABCDにおいて、 AC BDとの交点を Pとする。 \angle APB=\angle CPD=90^{\circ },\ AB//DCであるとする。このとき、 \triangle PAB \triangle PCDのそれぞれの外接円は互いに外接することを示せ。

第6問の解説

以下の図を参考にして証明を考えていきます。

 \triangle PABの外接円の点 Pにおける接線と \triangle PCDの外接円の点 Pにおける接線が一致すれば、これら 2つの円は互いに外接していることが言えます。

 AB//DCであることに注目して平行線の性質を使います。

あとは接弦定理を使って 2つの円の点 Pにおける接線が一致していることを示します。

(証明)

 \triangle PABの外接円の点 Pにおける接線と線分 AD,\ BCとの交点をそれぞれ Q,\ Rとする。

接弦定理より \angle PAB=\angle BPR…①

対頂角は等しいので \angle BPR=\angle QPD…②

 AB//DCより、平行線の錯角は等しいから \angle PAB=\angle PCD…③

①、②、③より \angle QPD=\angle PCD

接弦定理の逆より、 \triangle PCDの外接円は直線 QRを接線にもつ。

したがって、 \triangle PABの外接円と \triangle PCDの外接円は互いに外側にあり、共通の接線をもつのでこれらの円は互いに外接する。

いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回は証明問題が多かったので少し手応えのある問題だったと思います。

証明問題が多く出る大学がありますので、その練習としては良い問題ではないでしょうか。

基本問題も多かったので復習にも良い問題でした。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

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