マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

芦屋大学の過去問【2022年一般入試】

ご訪問ありがとうございます!

解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

目次

今回の問題
問題の難易度について
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回の問題

2022年度の芦屋大学一般入試の問題です。

この年から共通テストに寄せた問題傾向になっています。

問題の難易度について

難易度は☆☆☆です。

そこまで難しい問題ではないです。傾向も共通テストに近いのでいい練習台になるかと思います。誘導をしっかり理解していけば解けないことはなさそうです。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

問題と問題の解説(第1問)

第1問

第1問の解説

放物線が x軸から切り取る線分の長さは放物線の方程式が xの2次式となりますので

放物線の式 =0

とおいた2次方程式の解の差の絶対値が線分の長さとなります。

(1)の問題が具体的なものとなっていますので、この問題を使って解説します。

与えられている放物線が y=2x^{2}-4x-6となっていますので、2次方程式 2x^{2}-4x-6=0を解きます。これを解いていくと

 \begin{eqnarray*} 2x^{2}-4x-6&=&0\\ x^{2}-2x-3&=&0\\ (x+1)(x-3)&=&0\end{eqnarray*}

となりますので x=-1 x=3がこの方程式の解となります。

したがって、放物線 y=2x^{2}-4x-6 x軸から切り取る線分の長さは 3-(-1)=4となります。

係数に文字が入っていても解き方は全く同じです。

放物線 \displaystyle y=-kx^{2}+3x-\frac{1}{2}k x軸から切り取る線分の長さは次の2次方程式を解きます。

 \displaystyle -kx^{2}+3x-\frac{1}{2}k=0

この2次方程式を整理すると

 \displaystyle 2kx^{2}-6x+k=0

となります。因数分解が困難な場合は2次方程式の解の公式を使います。

 x2次方程式 ax^{2}+bx+c=0の解は \displaystyle x=\frac{-b\pm \sqrt{b^{2}-4ac}}{2a}

↑これが2次方程式の解の公式です。これを使って先程の2次方程式を解くと

 \displaystyle x=\frac{3\pm \sqrt{9-2k^{2}}}{2k}

となります。したがって、放物線 \displaystyle y=-kx^{2}+3x-\frac{1}{2}k x軸から切り取る線分の長さは

 \displaystyle \frac{3+\sqrt{9-2k^{2}}}{2k}-\frac{3-\sqrt{9-2k^{2}}}{2k}=\frac{\sqrt{9-2k^{2}}}{k}

となります。この線分の長さが 2であるときは次の方程式が成り立ちます。

 \displaystyle \frac{\sqrt{9-2k^{2}}}{k}=2

あとはこの方程式を解いて kの値を導き出せばこの問題は終了ですが、 k\gt 0であることが問題で要請されていますので、ここに注意が必要です。

 \begin{eqnarray*} \frac{\sqrt{9-2k^{2}}}{k}&=&2\\ \sqrt{9-2k^{2}}&=&2k\\ 9-2k^{2}&=&(2k)^{2}\\ 9-2k^{2}&=&4k^{2}\\ 6k^{2}&=&9\\ k^{2}&=&\frac{9}{6}\\ k&=&\pm \frac{3}{\sqrt{6}}\\ &=&\pm \frac{\sqrt{6}}{2}\end{eqnarray*}

上の計算と k\gt 0から \displaystyle k=\frac{\sqrt{6}}{2}となります。

 

この問題は会話形式の問題になっていますが、問題の解法がわかっていればあまり読む必要はないです。

解き方をド忘れしてしまったら、会話にはヒントが書いてありますので、そこを読むと思い出せるようになっています。

適切な数値が出れば、会話文に気をつけてマークしてください。

問題と問題の解説(第2問)

第2問

第2問の解説

必要条件・十分条件に関する問題です。当ブログでは毎週水曜日と日曜日にこのような問題に特化して更新予定ですので是非御覧ください。

(1)次の2つの命題

 a+b abがともに整数 \Longrightarrow a bがともに整数

 a bがともに整数 \Longrightarrow a+b abがともに整数

の真偽を調べます。

上の命題は a=\sqrt{2},\ b=-\sqrt{2}とすると a+b=0,\ ab=-2となりますので、 a+b abはともに整数です。

ところが、 a bは整数ではありません。よって、これが反例となりますのでこの命題は偽です。

下の命題は真です。したがって、 a+b abがともに整数であることは a bがともに整数であるための「1.必要条件であるが十分条件ではない」となります。

(2)次の2つの命題

 x yがともに無理数 \Longrightarrow x+y無理数

 x+y無理数 \Longrightarrow x yがともに無理数

の真偽を調べます。

上の命題については x=\sqrt{2},\ y=-\sqrt{2}、下の命題については x=\sqrt{2},\ y=0が反例となります。

したがって、 x yがともに無理数であることは x+y無理数であるための「4.必要条件でも十分条件でもない」となります。

(3)次の2つの命題

 m\geqq 0かつ n\leqq 0\Longrightarrow mn\leqq 0

 mn\leqq 0\Longrightarrow m\geqq 0かつ n\leqq 0

の真偽を調べます。

上の命題は m nは異符号であるか少なくとも一方が 0となりますので mn\leqq 0となります。よって、この命題は真です。

下の命題は m=-1,\ n=1 mn=-1\leqq 0で、仮定を満たしますが結論の m\geqq 0かつ n\leqq 0を満たしていません。これが反例となりますので、この命題は偽です。

以上から、 m\geqq 0かつ n\leqq 0であることは mn\leqq 0であるための「2.十分条件であるが必要条件ではない」となります。

問題と問題の解説(第3問)

第3問

第3問の解説

[1]上の図で緑色の曲線が y=|x^{2}-6x+5|のグラフです。

(1)緑色の曲線と直線 y=x+kの共有点が1個となるのは上の図の青色の直線となるときです。通る点が (5,0)であることに注目すると、 k=-5となります。

(2)緑色の曲線と直線 y=x+kの共有点が3個となるのは上の図の赤色の直線かオレンジ色の直線になるときです。赤色の直線は点 (1,0)を通りますので k=-1となります。オレンジ色の直線は緑色の曲線と 1\leqq x\leqq 5の部分で接しています。

 |x^{2}-6x+5|=\left\{ \begin{array}{cc} x^{2}-6x+5&(x\leqq 1,\ 5\leqq x)\\ -x^{2}+6x-5&(1\lt x\lt 5)\end{array}\right.

ですので、放物線 y=-x^{2}+6x-5と直線 y=x+kが接するような kの値を求めます。これは x2次方程式

 -x^{2}+6x-5=x+k

が実数解を1つだけ持つような kの値になりますが、2次方程式

 x^{2}-5x+5+k=0

と整理して、この2次方程式の判別式を Dとすると

 D=5-4k

となります。求める kの値は D=0となるような値ですので \displaystyle k=\frac{5}{4}となります。

(3) k=-1のとき、つまり緑色の曲線と赤色の直線の関係を見ます。曲線 y=|x^{2}-6x+5|と直線 y=x-1との交点を求めると A(1,0),\ B(4,3),\ C(6,5)となります。2点間の距離を求めると AB=3\sqrt{2},\ BC=2\sqrt{2}となりますので、 AB:BC=3:2となります。

[2]条件式より \displaystyle \frac{\sin{A}}{7}=\frac{\sin{B}}{8}=\frac{\sin{C}}{3}=kとおくと

 \sin{A}=7k,\ \sin{B}=8k,\ \sin{C}=3k

となります。また、 \triangle ABCに正弦定理を用いると、 \triangle ABCの外接円の半径を Rとすると

 \displaystyle \frac{BC}{\sin{A}}=\frac{CA}{\sin{B}}=\frac{AB}{\sin{C}}=2R

が成り立ちます。これらのことから

 AB=6Rk,\ BC=14Rk,\ CA=16Rk…①

となります。ここで \triangle ABC余弦定理を用いると

 BC^{2}=AB^{2}+CA^{2}-2\times AB\times BC\times \cos{A}

が成り立ちます。この式に①の値を代入して \cos{A}の値を求めると \displaystyle \cos{A}=\frac{1}{2}となりますので \displaystyle \sin{A}=\frac{\sqrt{3}}{2}となります。このことから \displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}=7kとなりますので \displaystyle k=\frac{\sqrt{3}}{14}となります。 \triangle ABCの面積が 18\sqrt{3}であることから

 \displaystyle \frac{1}{2}\times BC\times CA\times \sin{A}=18\sqrt{3}

から R=7となります。したがって、 AB=3\sqrt{3},\ BC=7\sqrt{3},\ CA=8\sqrt{3}となります。 \triangle ABCの内接円の半径を rとすると、三角形の面積の求め方より

 \displaystyle \frac{1}{2}r(3\sqrt{3}+7\sqrt{3}+8\sqrt{3})=18\sqrt{3}

が成り立ちますので、 r=2となります。

[3](1)12本のうち8本選び、その後残りから3本選べばいいので、12本の鉛筆を8本と3本と1本に分ける分け方の総数は

 _{12}C_{8}\times _{4}C_{3}=1980通り

(2)2本に分けているグループが2つありますが、これらの区別を無くします。ですので最後に \displaystyle \frac{1}{2!}=\frac{1}{2}をかけることに注意して、12本の鉛筆を8本と2本と2本に分ける分け方の総数は

 \displaystyle _{12}C_{8}\times _{4}C_{2}\times \frac{1}{2}=1485通り

(3)4本に分けているグループが3つありますが、今回はA君、B君、C君と区別がありますので、そこに注意してください。分け方の総数は

 _{12}C_{4}\times _{8}C_{4}=34650通り

問題と問題の解説(第4問)

第4問

第4問の解説

[1] f(x)=x^{3}-9x^{2}+15x+kとおくと、この関数の導関数

 f^{\prime }(x)=3x^{2}-18x+15=3(x-5)(x-1)

となります。したがって、 x\geqq 0における f(x)の増減は以下の表のようになります。

 \begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c}\hline x&0&\cdots &1&\cdots &5&\cdots \\ \hline f^{\prime }&\ &+&0&-&0&+\\ \hline f(x)&k&\nearrow &k+7&\searrow &k-25&\nearrow \\ \hline \end{array}

この増減表から x\geqq 0において f(x)の最小値は x=5のとき k-25ですので、 x\geqq 0のにおいて常に f(x)\geqq 0が成り立つような kの値の範囲は

 k-25\geqq 0

を満たす範囲で、この不等式を解くと k\geqq 25となります。

[2]放物線 C_{1}と放物線 C_{2}の交点の x座標は、 xの方程式

 x^{2}-4x+8=x^{2}

の解です。この方程式を解くと x=2となります。

曲線 y=f(x)上の点 (t,f(t))における接線の方程式は

 y=f^{\prime }(t)(x-t)+f(t)

です。これを C_{1}上の点 P(t,t^{2}-4t+8)に当てはめて計算をしていくと

 y=2(t-2)x-t^{2}+8

この直線が放物線 C_{2}にも接するので、 x2次方程式

 x^{2}=2(t-2)x-t^{2}+8

これを整理して

 x^{2}-2(t-2)x-t^{2}+8=0

となりますが、この方程式の判別式を Dとすると

 D/4=-4t+12

となります。条件は D=0ですので t=3となります。これで求める直線が y=2x-1であることがわかります。

 C_{1}にも C_{2}にも接する直線と C_{1} C_{2}によって囲まれる部分の面積 S

 \begin{eqnarray*} S&=&\int^{2}_{1}\left\{ x^{2}-(2x-1)\right\} dx+\int^{3}_{2}\left\{ x^{2}-4x+8-(2x-1)\right\} dx\\ &=&\int^{2}_{1}(x^{2}-2x+1)dx+\int^{2}_{3}(x^{2}-6x+9)dx\\ &=&\left[ \frac{1}{3}(x-1)^{3}\right]^{2}_{1}+\left[ \frac{1}{3}(x-3)^{2}\right]^{3}_{2}\\ &=&\frac{2}{3}\end{eqnarray*}

問題と問題の解説(第5問)

第5問

第5問の解説

[1]三角関数の加法定理と合成公式を用いて式変形をしていくと

 \begin{eqnarray*} f(\theta )&=&2(\frac{1}{2}\cos{\theta }+\frac{\sqrt{3}}{2}\sin{\theta })+\frac{1}{2}\cos{\theta }-\frac{\sqrt{3}}{2}\sin{\theta }\\ &=&\frac{\sqrt{3}}{2}\sin{\theta }+\frac{3}{2}\cos{\theta }\\ &=&\sqrt{3}(\frac{1}{2}\sin{\theta }+\frac{\sqrt{3}}{2}\cos{\theta })\\ &=&\sqrt{3}\sin{(\theta +\frac{\pi }{3})}\end{eqnarray*}

 \displaystyle 0\leqq \theta \leqq \frac{\pi }{2}より \displaystyle \frac{\pi }{3}\leqq \theta +\frac{\pi }{3}\leqq \frac{5}{6}\pi であるので、 f(\theta ) \displaystyle \theta +\frac{\pi }{3}=\frac{\pi }{2}すなわち \displaystyle \theta =\frac{\pi }{6}のとき最大値 \sqrt{3}をとります。

[2](1)円①の式を kについて整理すると

 x^{2}+y^{2}-1+(-6x-8y+10)k=0

となります。「 kの値に関わりなく」なので、この等式を kについての恒等式と見ると次の連立方程式が成り立ちます。

 \left\{ \begin{array}{ccc} x^{2}+y^{2}-1&=&0\\ -6x-8y+10&=&0\end{array}\right.

この連立方程式を解くと \displaystyle (x,y)=\left( \frac{3}{5},\frac{4}{5}\right)となりますので、円①は kの値に関係なくこの点を通ります。

(2)円①の式を次のように変形します。

 \begin{eqnarray*} x^{2}+y^{2}-6kx-8ky+10k-1&=&0\\ x-6kx+9k^{2}+y^{2}-8ky+16k^{2}&=&25k^{2}-10k+1\\ (x-3k)^{2}+(y-4k)^{2}&=&(5k-1)^{2}\end{eqnarray*}

したがって、円①は中心が (3k,4k)、半径 5k-1の円であることがわかります。また、円②は中心が原点、半径2の円です。円が接する状況として次が考えられます。

(A)円①と円②が外接する

(B)円①が円②に内接する

(C)円②が円①に内接する

(A)の状況のとき、2つの円の中心の距離と2つの円の半径の和が等しくなります。中心の距離は \sqrt{9k^{2}+16k^{2}}=5kですので、次が成り立ちます。

 5k=(5k-1)+2

この等式を満たす kの値は存在しませんので、2つの円が外接する状況は無いということになります。

(B)の状況のとき、 5k-1\lt 2を満たします。2つの円の中心の距離が2つの円の半径の差に等しくなりますので、次が成り立ちます。

 5k=2-(5k-1)

この方程式を解くと \displaystyle k=\frac{3}{10}となります。

(C)の状況のとき、 5k-1\gt 2を満たします。このときは次が成り立ちます。

 5k=(5k-1)-2

この等式を満たす kの値は存在しませんので、円②が円①に内接する状況は無いということになります。

以上から、円①と円②が接するときの kの値は \displaystyle k=\frac{3}{10}となります。

いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

問題3の後半が少し難しかったです。正弦定理に関する知識が無いと解く方針が立てられないかもしれません。今回の解説は少し回りくどいですが、正弦定理を上手く使えばもっとスマートな解答になるのかと思います。

その他の問題に関しては基礎がしっかりしていれば難なく解ける問題でした。

問題1に関しては解き方がわかっていればほとんど会話文を読む必要が無いような気がします。

共通テストや入試の準備には良い問題かと思いますので復習にこの問題を使ってみてはいかがでしょうか。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

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