マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

倉敷芸術科学大学の過去問【2005年一般入試A日程必須問題】

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解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

目次

今回の問題
問題の難易度について
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
第6問
いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回の問題

今回は倉敷芸術科学大学の2005年一般入試で出題された問題です。

この年のA日程は必須問題が6問、選択問題が6問ありますので分けて解説していきます。

今回は必須問題の6問です。

問題の難易度について

難易度は☆☆です。

出題範囲は数学Ⅰ・Aの範囲(2005年時点)で、難しい問題は出ていません。教科書の問題が対応できれば解ける問題ばかりです。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

問題と問題の解説(第1問)

第1問

整式 2x^{3}-x^{2}-kx-2 x^{2}-x-2で割り切れるとき、定数 kの値および商を求めよ。

第1問の解説

割り算の筆算を行うことにより求めることができます。(計算は省略)そうすると

 2x^{3}-x^{2}-kx-2=(x^{2}-x-2)(2x+1)+(5-k)x

であることがわかります。

条件は「割り切れる」 =「あまりが 0」ということですので

 (5-k)x=0

がどんな xについても成り立つように kの値を定めれば良いということになります。

それを求めると k=5で、商は 2x+1です。

問題と問題の解説(第2問)

第2問

整式 x^{4}-7x^{2}-18因数分解せよ。

第2問の解説

 x^{2}=tとおくと方針が見えやすくなると思います。

解く方針としては

①置き換える

因数分解

③置き換えをもとに戻す

④さらに因数分解できるかどうかを確認する

という感じです。以下のように計算していきます。

 \begin{eqnarray*} x^{4}-7x^{2}-18&=&t^{2}-7t-18\\ &=&(t-9)(t+2)\\ &=&(x^{2}-9)(x^{2}+2)\\ &=&(x-3)(x+3)(x^{2}+2)\end{eqnarray*}

問題と問題の解説(第3問)

第3問

 2次関数 y=a(x-p)^{2}+qのグラフが 2 (2,-1),\ (8,5)を通り、軸の方程式が x=4であるとき、定数 a,\ p,\ qのそれぞれの値を求めよ。

第3問の解説

軸の方程式が x=4なので、 p=4であることがわかります。

 2 (2,-1),\ (8,5)を通るので、次の連立方程式が成り立ちます。

 \left\{ \begin{array}{ccc} 4a+q&=&-1\\ 16a+q&=&5\end{array}\right.

この連立方程式を解くと \displaystyle a=\frac{1}{2},\ q=-3となります。

問題と問題の解説(第4問)

第4問

 a=x+y,\ b=xyとするとき、次の問いに答えよ。

(1) x^{3}+y^{3} a,\ bを用いて表せ。

(2) x^{4}+y^{4} a,\ bを用いて表せ。

第4問の解説

文字を入れ替えても値が変わらない式を対称式といいます。

すべての対称式は基本対称式を使って表すことができますが、今回の場合は x+y xyが基本対称式です。

 x^{3}+y^{3} x^{4}+y^{4}はともに対称式ですが、次のようにして基本対称式を使って表すことができます。

 x^{3}+y^{3}=(x+y)^{3}-3xy(x+y)

 x^{4}+y^{4}=(x+y)^{4}-4xy(x+y)^{2}+2(xy)^{2}

これらの等式は (x+y)^{3} (x+y)^{4}の展開式から得ることができます。

例えば、 x^{3}+y^{3}=(x+y)^{3}-3xy(x+y)…①は次のようにして導き出します。

 (x+y)^{3}=x^{3}+3x^{2}y+3xy^{2}+y^{3}

なので、この等式を変形すると

 x^{3}+y^{3}=(x+y)^{3}-3x^{2}y-3xy^{2}

この右辺を変形すると (x+y)^{3}-3xy(x+y)となるので、等式①が得られます。

これらを a,\ bを用いて表すと

 x^{3}+y^{3}=a^{3}-3ab

 x^{4}+y^{4}=a^{4}-4a^{2}b+2b^{2}

となります。

問題と問題の解説(第5問)

第5問

円に内接する四角形 ABCDにおいて、 AB=3,\ BC=CD=5,\ \angle ABC=120^{\circ}である。このとき、次の問いに答えよ。

(1) ACの長さを求めよ。

(2)四角形 ABCDの面積を求めよ。

第5問の解説

図を描くと以下のようになります。図を描くことが目的ではないので、正確に描かなくても大丈夫です。

(1) \triangle ABC余弦定理を用いると

 \begin{eqnarray*} AC^{2}&=&AB^{2}+BC^{2}-2\cdot AB\cdot BC\cdot \cos{\angle ABC}\\ &=&9+25-2\cdot 3\cdot 5\cdot \left( -\frac{1}{2}\right) \\ &=&49\end{eqnarray*}

 AC\gt 0なので AC=7です。

(2) \triangle ACD余弦定理を用いると

 49=AD^{2}-5AD+25

これを整理すると

 AD^{2}-5AD-24=0

となります。この 2次方程式を解くと、 AD\gt 0より AD=8が得られます。

四角形 ABCDは円に内接するので、向かい合う角の大きさの和は 180^{\circ }となります。

この性質を用いると \angle CDA=180^{\circ }-\angle ABC=60^{\circ }であることがわかります。

したがって、四角形 ABCDの面積は \triangle ABC \triangle CDAの面積の和なので、四角形 ABCDの面積を Sとすると

 \begin{eqnarray*} S&=&\triangle ABC +\triangle CDA\\ &=&\frac{1}{2}\times 3\times 5\times \frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{1}{2}\times 5\times 8\times \frac{\sqrt{3}}{2}\\ &=&\frac{55\sqrt{3}}{4}\end{eqnarray*}

となります。

問題と問題の解説(第6問)

第6問

白と黒の碁石が合計 36個入っている袋の中から、 3個の碁石を同時に取り出すとき、その 2個が同色である確率が \displaystyle \frac{3}{4}であるという。箱の中にある白の碁石の個数を求めよ。

第6問の解説

箱の中にある白の碁石の数を x個とすると、黒の碁石の数は碁石の合計が 36個なので (36-x)個となります。

 3個の碁石を同時に取り出すとき、そのうちの 2個が同色となるのは

・白の碁石 2個、黒の碁石 1

・黒の碁石 2個、白の碁石 1

となる場合です。

白の碁石 2個、黒の碁石 1個である確率は

 \displaystyle \frac{\ _{x}C_{2}\times \ _{(36-x)}C_{1}}{_{36}C_{3}}

黒の碁石 2個、白の碁石 1個である確率は

 \displaystyle \frac{\ _{x}C_{1}\times \ _{(36-x)}C_{2}}{_{36}C_{3}}

です。これらの場合は同時には起こりませんので、確率の和の法則より、 2個同色になる確率は

 \displaystyle \frac{\ _{x}C_{2}\times \ __{(36-x)}C_{1}}{_{36}C_{3}}+\frac{\ _{x}C_{1}\times \ _{(36-x)}C_{2}}{_{36}C_{3}}

となります。この確率が \displaystyle \frac{3}{4}ですので、次の方程式が成り立ちます。

 \displaystyle \frac{\ _{x}C_{2}\times \ __{(36-x)}C_{1}}{_{36}C_{3}}+\frac{\ _{x}C_{1}\times \ _{(36-x)}C_{2}}{_{36}C_{3}}=\frac{3}{4}

この方程式を解いていくと(上の式の両辺に _{36}C_{3}をかけたところから変形していきます)

 \begin{eqnarray*} \frac{x(x-1)}{2}\times (36-x)+x\times \frac{(36-x)(35-x)}{2}&=&\frac{3}{4}\times \frac{36\times 35\times 34}{3!}\\ x(x-1)(36-x)+x(36-x)(35-x)&=&3\times 6\times 35\times 17\\ x(36-x)(x-1+35-x)&=&2\times 17\times 9\times 35\\ 34x(36-x)&=&34\times 9\times 35\\ -x^{2}+36x&=&9\times 35\\ x^{2}-36x+9\times 35&=&0\\ x^{2}-(15+21)x+15\times 21&=&0\\ (x-15)(x-21)&=&0\end{eqnarray*}

よって x=15,\ 21がこの方程式の解となります。

 xは白の碁石の個数ですので 0\lt x\leqq 36である必要がありますが、この方程式の解は 2つともこれを満たしていますので、出てきた 2つの値両方ともが答えとなります。

答え:白の碁石の個数は 15個または 21

いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

最後の問題が少し難しかったかもしれませんが、他の問題は教科書に載っているような問題ばかりでした。

頻出問題も出ているので、この大学の問題に触れておくのも良いかもしれません。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

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