マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

倉敷芸術科学大学の過去問【2006年A日程選択問題】

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解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

目次

今回の問題
問題の難易度について
第1問
第2問
第3問
第4問
第5問
第6問
いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回の問題

倉敷芸術科学大学2006年A日程の選択問題です。

出題範囲は当時の数学Ⅱ・数学Bの範囲です。

問題の難易度について

難易度は☆☆☆です。

基礎問題が多いですが、計算は複雑さがあります。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

問題と問題の解説(第1問)

第1問

2次方程式 x^{2}-(a-5)x+3a=0の2つの解の比が 1:3となるように aの値を定めよ。

第1問の解説

解と係数の関係を用いて解いていきます。

与えられて方程式の解の 1つを \alpha とおくと、他方の解は 3\alpha となります。

したがって、2次方程式の解と係数の関係から次が成り立ちます。

 \begin{eqnarray*} \left\{ \begin{array}{ccc} a-5&=&4\alpha \\ 3a&=&3\alpha ^{2}\end{array}\right.\end{eqnarray*}

この連立方程式を解いていけば aの値と \alpha の値が求められますが、問題分では aの値しか要請されていませんので、 aの値だけ求めれば充分です。

上の式を変形すると \displaystyle \frac{1}{4}a-\frac{5}{4}=\alpha となります。

この式を下の式に代入して整理していくと以下のようになります。

 \begin{eqnarray*} a&=&\left( \frac{1}{4}a-\frac{5}{4}\right) ^{2}\\ a&=&\frac{1}{16}a^{2}-\frac{10}{16}a+\frac{25}{16}\\ 16a&=&a^{2}-10a+25\\ a^{2}-26a+25&=&0\\ (a-1)(a-25)&=&0\end{eqnarray*}

この aについての2次方程式を解くと a=1または a=25となります。

問題と問題の解説(第2問)

第2問

 Pが放物線 y=x^{2}+2上を動くとき、点 A(2,1)と点 Pを結ぶ線分 APの中点 Qの軌跡を求めよ。

第2問の解説

 Pは放物線 y=x^{2}+2上にあるので、点 Pの座標は (t,t^{2}+2)とおくことができます。

したがって、点 Qの座標は \displaystyle \left( \frac{t+2}{2},\frac{t^{2}+3}{2}\right) となります。

ここで Qの座標を (X,Y)とおくと

 \begin{eqnarray*} \left\{ \begin{array}{ccc} X&=&\displaystyle \frac{t+2}{2}\\ Y&=&\displaystyle \frac{t^{2}+3}{2}\end{array}\right. \end{eqnarray*}

が成り立ちます。ここから tを消去します。

 t=2X-2ですので、これを先程の連立方程式の下の式に代入すると

 \begin{eqnarray*} Y&=&\frac{1}{2}\left\{ (2X-2)^{2}+3\right\} \\ &=&\frac{1}{2}(4X^{2}-8X+4+3)\\ &=&2X^{2}-4X+\frac{7}{2}\end{eqnarray*}

となります。

したがって、点 Qは放物線 \displaystyle y=2x^{2}-4x+\frac{7}{2}上にあることがわかります。

問題と問題の解説(第3問)

第3問

方程式 \log_{2}{x^{3}}+2\log_{x}{3}=7を解け。

第3問の解説

対数関数の底の変換公式 \displaystyle \log_{a}{b}=\frac{\log_{c}{b}}{\log_{c}{a}}と対数関数の性質 \log_{a}{P^{n}}=n\log_{a}{P}を用いて解いていきます。

これらの公式を使って方程式を変形すると

 \begin{eqnarray*} 3\log_{3}{x}+2\frac{1}{\log_{3}{x}}-7&=&0\\ 3(\log_{3}{x})^{2}-7\log_{3}{x}+2&=&0\\ (3\log_{3}{x}-1)(\log_{3}{x}-2)&=&0\end{eqnarray*}

となりますので、 \displaystyle \log_{x}=\frac{1}{3},\ 2となります。

よって、方程式の解は x=\sqrt[3]{3},\ 9となります。

問題と問題の解説(第4問)

第4問

下図のように 1,\ 2,\ 3,\ \cdots を並べるとする。この図の左端にある数でできる数列を a_{n}(n\geqq 1)、右端にある数でできる数列を b_{n}(n\geqq 1)とする。すなわち、 a_{1}=1,\ a_{2}=2,\ a_{3}=4,\ a_{4}=7,\ a_{5}=11,\ a_{6}=16,\ \cdots , b_{1}=1,\ b_{2}=3,\ b_{3}=6,\ b_{4}=10,\ b_{5}=15,\ b_{6}=21,\ \cdots である。このとき、一般項 a_{n},\ b_{n}を求めよ。

 \begin{eqnarray*} \begin{array}{ccccccc} 1&\ &\ &\ &\ &\ &\ \\ 2&3&\ &\ &\ &\ &\ \\ 4&5&6&\ &\ &\ &\ \\ 7&8&9&10&\ &\ &\ \\ 11&12&13&14&15&\ &\ \\ 16&17&18&19&20&21&\ \\ \vdots &\vdots &\vdots &\vdots &\vdots &\vdots &\ddots \end{array}\end{eqnarray*}

第4問の解説

数列 \{ a_{n}\}の階差数列は n、数列 \{ b_{n}\}の階差数列は n+1ですので、それぞれの一般項は n\geqq 2のとき

 \begin{eqnarray*} a_{n}&=&1+\sum_{k=1}^{n-1}k\\ &=&1+\frac{1}{2}n(n-1)\\ &=&\frac{1}{2}n^{2}-\frac{1}{2}n+1\\ b_{n}&=&1+\sum_{k=1}^{n-1}(k+1)\\ &=&1+\frac{1}{2}n(n-1)+(n-1)\\ &=&\frac{1}{2}n^{2}+\frac{1}{2}n\end{eqnarray*}

これらは n=1のときも成り立ちます。

答え: \begin{eqnarray*} \left\{ \begin{array}{ccc} a_{n}&=&\displaystyle \frac{1}{2}n^{2}-\frac{1}{2}n+1\\ b_{n}&=&\displaystyle \frac{1}{2}n^{2}+\frac{1}{2}n\end{array}\right.\end{eqnarray*}

問題と問題の解説(第5問)

第5問

原点を通り、直線 x-2y+\sqrt{5}=0 45^{\circ }の角度で交わる直線を求めよ。

第5問の解説

直線 x-2y+\sqrt{5}=0の方向ベクトルを \vec{a}とおくと、 \vec{a}=(2,1)となります。

ベクトル \vec{a} 45^{\circ }で交わるベクトルのうち、大きさが 1のものを \vec{x}=(t,s)とおくと、ベクトルの内積の公式より

 \displaystyle 2t+s=\frac{\sqrt{10}}{2}…①

が成り立ちます。

また、 |\vec{x}|^{2}=1より t^{2}+s^{2}=1…②が成り立ちます。

①と②の連立方程式を解くと \displaystyle (t,x)=\left( \frac{\sqrt{10}}{10},\frac{3\sqrt{10}}{10}\right) ,\ \left( \frac{3\sqrt{10}}{10},-\frac{\sqrt{10}}{10}\right) となりますので、これが求める直線の方向ベクトルの成分となります。

問題文から、求める直線は原点を通るので、先ほど求めた方向ベクトルから直線の傾きを求めて

 \displaystyle y=3x,\ y=-\frac{1}{3}x

 2直線が求める直線となります。

問題と問題の解説(第6問)

第6問

 a+b+c=0のとき、 \displaystyle \frac{a^{2}}{(a+b)(a+c)}+\frac{b^{2}}{(b+c)(b+a)}+\frac{c^{2}}{(c+a)(c+b)}=3が成り立つことを証明せよ。

第6問の解説

条件 a+b+c=0より、 a+b=-c,\ b+c=-a,\ c+a=-bとなります。

これらを用いると

 \begin{eqnarray*} \frac{a^{2}}{(a+b)(a+c)}+\frac{b^{2}}{(b+c)(b+a)}+\frac{c^{2}}{(c+a)(c+b)}&=&\frac{a^{2}}{bc}+\frac{b^{2}}{ca}+\frac{c^{2}}{ab}\\ &=&\frac{a^{3}+b^{3}+c^{3}}{abc}\end{eqnarray*}

となります。

ここで、因数分解の公式

 a^{3}+b^{3}+c^{3}-3abc=(a+b+c)(a^{2}+b^{2}+c^{2}-ab-bc-ca)

を用いると、 a+b+c=0のとき a^{3}+b^{3}+c^{3}\underline{-3abc}=0であることがわかりますので、この式の左辺の下線部のところのみを移項すると

 a^{3}+b^{3}+c^{3}=3abc

が成り立つことがわかります。

したがって

 \begin{eqnarray*} \frac{a^{2}}{(a+b)(a+c)}+\frac{b^{2}}{(b+c)(b+a)}+\frac{c^{2}}{(c+a)(c+b)}&=&\frac{a^{3}+b^{3}+c^{3}}{abc}\\ &=&\frac{3abc}{abc}\\ &=&3\end{eqnarray*}

となります。

いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回は計算が多い感じです。

ほとんど基礎問題となっていますので、この手の問題が解けなければ復習が必要かと思われます。

最後の問題は因数分解の公式を覚えておいたほうが簡単に解けることがありますので、公式や定理は隅々までチェックしておきたいところではありますね。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

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