マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

必要条件・十分条件【必要条件・十分条件の判定のしかた】

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解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

今回は必要条件・十分条件の問題です。初回になりますので、必要条件・十分条件に関する問題の解き方を解説します。

目次

必要条件・十分条件とは?
必要条件・十分条件の判定のしかた
例題
いかがだったでしょうか?

必要条件・十分条件とは?

真偽(正しいか正しくないか)がはっきりしているものを「命題」と呼びます。

例えば「三角形の内角の和は 180^{\circ }である」や「無理数の和は無理数である」は真偽がはっきりしているので命題です。

「東京にはたくさんの人がいる」は真偽がはっきりしませんので命題ではありません。

ポイントは誰がどんな状況で考えても正しいか正しくないかが同じになるということです。「たくさん」は考える人によって基準が異なってきますので、「東京にはたくさんの人がいる」という主張が正しいか正しくないかの判断は考える人によって違ってきます。

必要条件・十分条件の問題は「 p\Longrightarrow q」( pならば q)の形の命題を扱います。

この命題が真(正しい)場合は証明が可能です。偽(正しくない)場合は反例を示します。判例は仮定を満たし、結論を満たさないものを探します。

必要条件・十分条件の判定のしかた

 p\Longrightarrow q」という命題が真であった場合、条件 pに「十分条件」、条件 qに「必要条件」と名前を付けます。

偽である場合は名前は付けません。

次に命題の逆「 q\Longrightarrow p」の真偽を調べます。

命題が真であった場合は qに「十分条件」、 pに「必要条件」と名前を付けます。

偽である場合は名前は付けません。

最後につけた名前をまとめます。条件 pに「必要条件」のみ名前がついた場合は「条件 pは条件 qであるための必要条件であるが十分条件ではない」と解答します。

「必要条件」と「十分条件」両方とも名前がついた場合は「必要十分条件」、まったく名前がつかなかった場合は「必要条件でも十分条件でもない」と解答します。

この説明だけではわかりにくいかもしれませんので、実際に次の問題を解いてみます。

例題

必要条件・十分条件の判定のやり方を実際に問題を解きながら解説していきます。以下の問題は数学Ⅰの教科書に載っている例を問題にしたものです。

問題

 xは実数とする。( )の中には「必要条件であるが十分条件ではない」、「十分条件であるが必要条件ではない」、「必要十分条件である」「必要条件でも十分条件でもない」のうち、それぞれどれが適するか。

(1) x^{2}=9 x=3であるための( )

(2) x^{2}=0 x=0であるための( )

(3) x\gt 0 x\not= 1であるための( )

必要条件・十分条件の問題の解き方

 p qであるための( )」という問題が出た場合の解き方を説明します。問題の解く手順は以下のようになります。

 p\Longrightarrow qの真偽を調べる。この命題が真であれば条件 pに「十分条件」と名前をつける。

 q\Longrightarrow pの真偽を調べる。この命題が真であれば条件 pに「必要条件」と名前をつける。

③条件 pについた名前をまとめる。

十分条件」だけ名前をつけた→「十分条件であるが必要条件ではない」と解答する。

「必要条件」だけ名前をつけた→「必要条件であるが十分条件ではない」と解答する。

十分条件」と「必要条件」の両方ともに名前をつけた→「必要十分条件である」と解答する。

名前をつけていない→「必要条件でも十分条件でもない」と解答する。

必要条件・十分条件の問題を解くときの注意点

真偽が「真」である命題は証明が可能であり、真偽が「偽」である命題は少なくとも1つ反例が存在します。ですが、ほとんどの問題に関しては証明や反例を示すことは求められていませんので、頭の中で証明が正しく行うことができたり、反例が1つ思いついたら次に進んでも大丈夫です。ややこしい問題は余白などを使って証明してみるのも良いです。

1.命題の真偽を調べているときに1つでも反例が出れば、その命題の真偽は「偽」なので次の手順に進む。

2.命題の真偽が「真」であると予想される場合は証明を試みてみる。

3.簡単そうな問題ほど油断しない。

(1)の問題の解説

 x^{2}=9\Longrightarrow x=3という命題の真偽を調べます。

 x^{2}=9を解くと x=\pm 3となります。

 x=-3は仮定の x^{2}=9という条件を満たしますが、結論の x=3という条件を満たしません。

ということで、 x=-3が反例となりますのでこの命題の真偽は「偽」ということになります。

 x=3\Longrightarrow x^{2}=9という命題の真偽を調べます。

 x=3の両辺を2乗すると x^{2}=9となりますので、この命題は正しいということになります。

よって、この命題の真偽は「真」ですので x^{2}=9という条件に「必要条件」と名前をつけます。

 x^{2}=9という条件に「必要条件」という名前をつけましたので、この問題の解答は「 x^{2}=9 x=3であるための(必要条件であるが十分条件ではない)」ということになります。

(2)の問題の解説

 x^{2}=0\Longrightarrow x=0という命題の真偽を調べます。

 x^{2}=0を解くと x=0となります。

これは結論を満たしていますので、この命題の真偽は「真」となります。

ということで、 x^{2}=0という条件に「十分条件」と名前をつけます。

 x=0\Longrightarrow x^{2}=0という命題の真偽を調べます。

 x=0の両辺を2乗すると x^{2}=0となりますので、この命題は正しいということになります。

よって、この命題の真偽は「真」ですので x^{2}=0という条件に「必要条件」という名前をつけます。

 x^{2}=0という条件に「十分条件」と「必要条件」の両方ともの名前をつけましたので、この問題の解答は「 x^{2}=0 x=0であるための(必要十分条件である)」ということになります。

(3)の問題の解説

 x\gt 0\Longrightarrow x\not=1という命題の真偽を調べます。

 x=1は仮定の x\gt 0という条件を満たしていますが、結論の x\not=1という条件を満たしていません。

したがって、 x=1が反例となりますので、この命題の真偽は「偽」となります。

 x\not=1\Longrightarrow x\gt 0という命題の真偽を調べます。

 x=-2は仮定の x\not=1という条件を満たしますが、結論の x\gt 0という条件を満たしていません。

したがって、 x=-2が反例となりますので、この命題の真偽は「偽」となります。

※この命題の反例は無数にありますが、命題が「偽」であることを言いたいときは反例を1つだけ挙げれば大丈夫です。

 x\gt 0という条件には「必要条件」、「十分条件」とも名前をつけていませんので、この問題の解答は「 x\gt 0 x\not=1であるための(必要条件でも十分条件でもない)」ということになります。

いかがだったでしょうか?

必要条件・十分条件を判定する問題は共通テストで出されやすい問題です。

2021年以降の共通テスト本試験では必要条件・十分条件を判定する問題自体は出題されていないものの、それに関連する問題が出ていますし、センター試験・共通テストの追試験を含めると2006年度以降出なかった年が存在しません。

共通テストではほぼ100%出ると思っていいほどではないでしょうか。共通テストを受ける方はこの問題を対策しておく必要がありそうです。

こちらもネタが集まってきましたので、11月から毎週水曜日と日曜日に更新予定です。対策に使ってあげてください。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

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