マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

yahoo!知恵袋にあった問題6【必要条件・十分条件】

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解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

今回は必要条件・十分条件の問題です。

目次

今回の問題
今回の問題について
今回の問題の解説
いかがだったでしょうか?

今回の問題

 \alpha ,\ \beta 複素数とする。 (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )が実数であることは \alpha \beta が実数であるための( )

( )には「必要十分条件」、「必要条件であるが十分条件ではない」、「十分条件であるが必要条件ではない」、「必要条件でも十分条件でもない」のうちどれが適するか。

今回の問題について

今回もyahoo!知恵袋にあった問題からです。

前回の6問あった問題のうちの他の問題です。

この問題も計算が大変です。

今回の問題の解説

 \alpha =a_{1}+a_{2}i,\ \beta =b_{1}+b_{2}iとおきます。ただし、 a_{1},\ a_{2},\ b_{1},\ b_{2}は全て実数、 i虚数単位で i^{2}=-1を満たす数とします。複素数の和において

 \begin{eqnarray*} \alpha +\beta &=&(a_{1}+b_{1})+(a_{2}+b_{2})i\\ \alpha -\beta &=&(a_{1}-b_{1})+(a_{2}-b_{2})i\end{eqnarray*}

が成り立っています。また、複素数の積については、 i^{2}=-1であることに注意して計算すると

 \begin{eqnarray*} \alpha \beta &=&(a_{1}+a_{2}i)(b_{1}+b_{2}i)\\ &=&a_{1}b_{1}+a_{1}b_{2}i+a_{2}b_{1}i+a_{2}b_{2}i^{2}\\ &=&a_{1}b_{1}-a_{2}b_{2}+(a_{1}b_{2}+a_{2}b_{1})i\end{eqnarray*}

となります。以上のことを用いると

  (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )

 =(a_{1}^{2}-b_{1}^{2})-(a_{2}^{2}-b_{2}^{2})+\left\{ (a_{1}+b_{1})(a_{2}-b_{2})+(a_{2}+b_{2})(a_{1}-b_{1})\right\} i

となります。ここで、 (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )の虚部に注目すると

 (a_{1}+b_{1})(a_{2}-b_{2})+(a_{2}+b_{2})(a_{1}-b_{1})

 =a_{1}a_{2}-a_{1}b_{2}+a_{2}b_{1}-b_{1}b_{2}+a_{1}a_{2}-a_{2}b_{1}+a_{1}b_{2}-b_{1}b_{2}

 =2(a_{1}a_{2}-b_{1}b_{2})

となります。複素数が実数になるときは虚部が 0となるときですので、 \alpha \beta の虚部と (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )の虚部に注目して考えていきます。

命題「 (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )が実数 \Longrightarrow \alpha \beta が実数」の真偽を調べます。

仮定より a_{1}a_{2}-b_{1}b_{2}=0ですので、例えば \alpha =1+2i,\ \beta =2+iとしますと

 \begin{eqnarray*} (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )&=&(3+3i)(-1+i)\\ &=&-3(1+i)(1-i)\\ &=&-3(1-i^{2})\\ &=&-6\end{eqnarray*}

となり、 (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )が実数ですが

 \begin{eqnarray*} \alpha \beta &=&(1+2i)(2+i)\\ &=&2+i+4i+2i^{2}\\ &=&2-2+(1+4)i\\ &=&5i\end{eqnarray*}

となり、 \alpha \beta は実数ではありません。これが反例となりますので、この命題は偽です。

命題「 \alpha \beta が実数 \Longrightarrow (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )が実数」の真偽を調べます。

仮定より a_{1}b_{2}+a_{2}b_{1}=0ですので、例えば \alpha =1+i,\ \beta =1-iとしますと、 \beta  \alpha の共役複素数であることに注意すると \alpha \beta =2で実数となりますが

 \begin{eqnarray*} (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )&=&2\times 2i\\ &=&4i\end{eqnarray*}

となり、 (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )は実数ではありません。これが反例となりますので、この命題は偽です。

以上から、 (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )が実数であることは \alpha \beta が実数であるための「必要条件でも十分条件でもない」となります。

いかがだったでしょうか?

今回の問題は準備が大変でした。

複素数が実数になる条件、虚部が 0になるところに注意する必要があります。

ですので、 \alpha \beta  (\alpha +\beta )(\alpha -\beta )の虚部を調べる必要がありました。

何も調べずに安易に答えてしまうと不正解になって点数が貰えない事態が生じますので、調査は非常に大事です。

これが経営になるとお金が絡んでくるので下調べをしておかないと大変なことになりそうですね…。

 

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