マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

関係ありそうで関係がない2つの条件【必要条件・十分条件】

ご訪問ありがとうございます!

解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

今回は必要条件・十分条件の問題です。

目次

今回の問題
今回の問題について
今回の問題の解説
いかがだったでしょうか?

今回の問題

(1) x\gt 0であることは x\not= 1であるための( )

(2) |x-3|\lt 2であることは -1\lt x\lt 4であるための( )

(3) x\gt yであることは x^{2}\gt y^{2}であるための( )

(4) x,\ y,\ zが実数であるとき、 x\lt yであることは xz\lt yzであるための( )

(5) \triangle ABCの3辺 BC,\ CA,\ ABの長さをそれぞれ a,\ b,\ cとする。

 (a-b)(a^{2}+b^{2}-c^{2})=0 \triangle ABCが直角二等辺三角形であるための( )

( )には「必要十分条件」、「必要条件であるが十分条件ではない」、「十分条件であるが必要条件ではない」、「必要条件でも十分条件でもない」のうちそれぞれどれが適するか。

今回の問題について

今回の問題はすべて「必要条件でも十分条件でもない」が答えとなるようなものを集めました。

見た目で全く関係がなさそうな2つの条件であったり、「必要十分条件」や「必要条件」、「十分条件」になっていそうなものもあります。

必要条件・十分条件に関する問題は集合で考えるか命題を立てて真偽を調べることをしっかり行っていけば正解にたどり着くことができます。

今回も命題を立てて真偽を調べる方法で解説しますが、答えが全て「必要条件でも十分条件でもない」となっていますので反例の探し方に焦点を当てて解説をしていきます。

反例の探し方の基本は仮定を満たして結論を満たさないものを探すことです。

今回の問題の解説

(1)の問題について

命題 x\gt 0\Longrightarrow x\not= 1の真偽を調べます。

 x=1は仮定の x\gt 0を満たしていますが、結論の x\not= 1を満たしていません。

これが反例となりますので、この命題は偽です。

命題 x\not= 1\Longrightarrow x\gt 0の真偽を調べます。

仮定は x=\not 1ですので、 xの値は 1でなければ何でも良いということになります。

ですので、結論の x\gt 0に注目して 1でないもので負の数のものを1つ探せば良いです。

例えば x=-1がこれに該当しますので、反例としてこれを挙げればこの命題が偽であることが言えます。

以上より x\gt 0 x\not= 1であるための必要条件でも十分条件でもないということになります。

(2)の問題について

 |x-3|\lt 2を解くと 1\lt x\lt 5となります。

頭の中で |x-3|\lt 2 1\lt x\lt 5と言い換えてこのあと立てる命題の真偽を調べていきます。

命題 |x-3|\lt 2\Longrightarrow -1\lt x\lt 4の真偽を調べます。

 x=4.5は仮定の |x-3|\lt 2を満たしますが、結論の -1\lt x\lt 4を満たしていません。

これが反例となりますので、この命題は偽です。

命題 -1\lt x\lt 4\Longrightarrow |x-3|\lt 2の真偽を調べます。

 x=0は仮定の -1\lt x\lt 4を満たしていますが、結論の |x-3|\lt 2を満たしていません。

これが反例となりますので、この命題lは偽となります。

以上より、 |x-3|\lt 2 -1\lt x\lt 4であるための必要条件でも十分条件でもないということになります。

(3)の問題について

2乗すると正の数になるというところに注意して反例を探します。

例を挙げますと、 x=1,\ y=-3とすると x\gt yです。

 x^{2}=1,\ y^{2}=9ですので x^{2}\gt y^{2}にはなりません。

この点に注意して反例を探します。

命題 x\gt y\Longrightarrow x^{2}\gt y^{2}の真偽は上の例から偽です。

命題 x^{2}\gt y^{2}\Longrightarrow x\gt yの真偽を調べます。

 x=-3,\ y=1とすると x^{2}=9,\ y^{2}=1ですので x^{2}\gt y^{2}を満たしています。

ところが、 -3\lt 1ですので x\gt yを満たしていません。

これが反例となりますので、この命題は偽です。

以上より、 x\gt yであることは x^{2}\gt y^{2}であるための必要条件でも十分条件でもないということになります。

(4)の問題について

不等式の性質に両辺に負の数をかけたり割ったりすると不等号の向きが変わるというものがあります。

この点に注意して反例を探していきます。( zを負の数にすると反例が見つかりそうですね!)

命題 x\gt y\Longrightarrow xz\gt yzの真偽を調べます。

 x=3,\ y=1,\ z=-1のとき x\gt yを満たしますが、 xz=-3,\ yz=-1ですので xz\gt yzは満たしません。

これが反例となりますので、この命題は偽です。

命題 xz\gt yz \Longrightarrow x\gt yの真偽を調べます。

 x=-3,\ y=-1,\ z=-1のとき xz=3,\ yz=1ですので xz\gt yzを満たします。

ところが、 x\gt yは満たしていません。

これが反例となりますので、この命題は偽です。

以上より、 x\gt y xz\gt yzであるための必要条件でも十分条件でもないということになります。

(5)の問題について

 \triangle ABCが直角三角形であれば、三平方の定理より a^{2}+b^{2}=c^{2}が成り立つことは間違っていませんが、 \angle C=90^{\circ }であることはどこにも書いていません。

ですので、 \triangle ABCが直角三角形であるときは b^{2}+c^{2}=a^{2},\ c^{2}+a^{2}=b^{2}の可能性があることを考えます。

 \triangle ABC二等辺三角形である場合も同じく a=bであることがどこにも書いていませんので、 b=c c=aである可能性があることも考えて反例を探します。

命題 (a-b)(a^{2}+b^{2}-c^{2})=0\Longrightarrow \triangle ABCが直角二等辺三角形の真偽を調べます。

 a=b=c=1 \triangle ABC a-b=0ですので (a-b)(a^{2}+b^{2}-c^{2})=0を満たします。

ところが、この三角形は直角二等辺三角形ではありません。(正三角形です)

この三角形が反例となりますので、この命題は偽です。

命題 \triangle ABCが直角二等辺三角形 \Longrightarrow (a-b)(a^{2}+b^{2}-c^{2})=0の真偽を調べます。

辺の長さが a=\sqrt{2},\ b=c=1 \triangle ABCの形状は b=c b^{2}+c^{2}=a^{2}を満たしますので、三平方の定理の逆より直角二等辺三角形です。

ところが

 \begin{eqnarray*} (a-b)(a^{2}+b^{2}-c^{2})&=&(\sqrt{2}-1)(2+1-1)\\ &=&2(\sqrt{2}-1)\not= 0\end{eqnarray*}

となりますので、この三角形が反例となります。

よって、この命題は偽です。

以上より (a-b)(a^{2}+b^{2}-c^{2})=0 \triangle ABCが直角二等辺三角形であるための必要条件でも十分条件でもないということになります。

いかがだったでしょうか?

反例を探すには問題文をよく読んでそれを理解するか、基礎・基本事項を理解しておくというところが重要です。

今回の記事では見落としがちなところを赤字で示しました。

数学の問題を解くためには隅々まで考えることが大切です。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

X(Twitter)で更新を報告しています!フォローよろしくお願いします(・ω・)

https://twitter.com/red_red_chopper