マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

yahoo!知恵袋にあった問題5【必要条件・十分条件】

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解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

今回は必要条件・十分条件の問題です。

目次

今回の問題
今回の問題について
今回の問題の解説
いかがだったでしょうか?

今回の問題

 kは実数の定数とする。3つの直線 l_{1}:x+y+(4-k)=0,\ l_{2}:x-(1+k)y-1=0,\ l_{3}:(3-k)x-y+2=0について、 k=0 l_{1},\ l_{2},\ l_{3}が1点で交わるための( )

( )には「必要十分条件」、「必要条件であるが十分条件ではない」、「十分条件であるが必要条件ではない」、「必要条件でも十分条件でもない」のうちどれが適するか。

今回の問題について

今回はyahoo!知恵袋にあった問題からです。

自作問題でしょうか?同じページに6問ほどありましたが、かなり難易度の高い問題でした。

そのうちの1つを紹介します。

今回の問題の解説

命題「 k=0\Longrightarrow l_{1},\ l_{2},\ l_{3}が1点で交わる」の真偽を調べます。

 k=0が仮定ですので、 l_{1},\ l_{2},\ l_{3}それぞれの式に k=0を代入したものを考えます。そうすると

 l_{1}:x+y+4=0

 l_{2}:x-y-1=0

 l_{3}:3x-y+2=0

となります。直線 l_{1}と直線 l_{2}の交点を求めてみます。この交点の座標は、連立方程式

 \left\{ \begin{array}{ccc} x+y+4&=&0\\ x-y-1&=&0\end{array}\right.

の解です。この連立方程式の解は \displaystyle (x,y)=\left( -\frac{3}{2},-\frac{5}{2}\right)となりますので、これが直線 l_{1}と直線 l_{2}の交点の座標です。この座標の数値を l_{3}の左辺の式に代入して等式が成り立てば、この3つの直線は1点で交わることがわかります。以下のように計算していきます。

 \begin{eqnarray*} 3\times \left( -\frac{3}{2}\right) -\left( -\frac{5}{2}\right)+2&=&-\frac{9}{2}+\frac{5}{2}+\frac{4}{2}\\ &=&0\end{eqnarray*}

したがって、直線 l_{3}も点 \displaystyle \left( -\frac{3}{2},-\frac{5}{2}\right)を通ることがわかりましたので、3つの直線 l_{1},\ l_{2},\ l_{3}は1点で交わっていることがわかります。

よって、この命題は真です。

命題「 l_{1},\ l_{2},\ l_{3}が1点で交わる \Longrightarrow k=0」の真偽を調べます。

この時点では kの値はわかりませんので、文字のまま扱います。言い換えると、3つの直線 l_{1},\ l_{2},\ l_{3}が1点で交わるような kの値を求めます。

 l_{1}:x+y+4-k=0

 l_{2}:x-(1+k)y-1=0

 l_{3}:(3-k)x-y+2=0

が1点で交わることを考えれば良いのですが、まずは直線 l_{1}と直線 l_{2}の交点を求めてみます。これは連立方程式

 \left\{ \begin{array}{ccc} x+y+4-k&=&0\\ x-(1+k)y-1&=&0\end{array}\right.

を解くことになります。以後、分数が出た場合は分母は全て 0ではないとします。この連立方程式の解は、加減法で解くことにより \displaystyle (x,y)=\left( \frac{k^{2}-3k-3}{k+2},\frac{k-5}{k+2}\right)となります。直線 l_{3}もこの点を通りますので、この数値を l_{3}の式に代入して整理していくと

 \begin{eqnarray*} (3-k)\times \frac{k^{2}-3k-3}{k+2}-\frac{k-5}{k+2}+2&=&0\\ (3-k)(k^{2}-3k-3)-(k-5)+2(k+2)&=&0\\ -k^{3}+6k^{2}-5k&=&0\\ -k(k^{2}-6k+5)&=&0\\ -k(k-1)(k-5)&=&0\end{eqnarray*}

となります。したがって、3つの直線 l_{1},\ l_{2},\ l_{3}が1点で交わるような kの値は k=0の他に k=1 k=5があります。この k=1 k=5が仮定を満たし、結論を満たさないものになりますので、この命題は偽となります。

ここまでわかったことを集合で表してみると、集合 P k=0を満たす kの値全体の集合、集合 Qを直線 l_{1},\ l_{2},\ l_{3}が1点で交わるような kの値全体の集合とすると

 P=\{ 0\},\ Q=\{ 0,1,5\}

となりますので、包含関係 P\subset Qが成り立っていることがわかります。

以上から、 k=0 l_{1},\ l_{2},\ l_{3}が1点で交わるための「十分条件であるが必要条件ではない」となります。

いかがだったでしょうか?

後半の計算が文字式を含んでいましたのでかなり大変でした。

ただ、3次方程式を解く際の因数分解は容易でしたので頑張れば高1の方でも解けそうな感じでした。

解く時間はかかりますので、このような問題が出題されてしまうと地獄ですね。

これが出ないように祈るしか無いか!?

 

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