マーク方式の数学の問題を作ってみた。

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香川短期大学の問題【2021年一般入試第4問】

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目次

今回の問題
今回の問題の原文(記述式)
今回の問題について
今回の問題の解説
いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

今回の問題

今週は2020年実施の徳島県教員採用試験の問題ですが、問題選定の都合上別の問題になります。

今回は2021年実施の香川短期大学一般入試の第4問です。

今回の問題の原文(記述式)

自然数の和を表した式 A+B=Cであって、3つの数に含まれる各位の数が1つも重複しないものを「良い和の式」と呼ぶことにする。例としては 1+2=3 12+35=47 123+467=590などが挙げられる。反対に 12+34=46は4が重複しているので良い和の式ではない。

(1) 12+35=47以外で、 A,\ B,\ Cがいずれも2桁である良い和の式の例を1つ挙げよ。

(2)命題①と②がそれぞれ真であるか偽であるかを答えよ。その理由も説明すること。

 A,\ Bがともに1桁の数で、 A\not= Bであれば、常に良い和の式になる。

②良い和の式であるためには Cが常に 10000未満でなければならない。

(3) A=1987のとき、良い和の式になるような Bの値を求めよ。

(4) B=607のとき、良い和の式となるような Bの値を求めよ。

※(3)、(4)の解はいずれも1つである。

今回の問題について

難易度は☆☆☆☆です。

数字がかぶらないような足し算を考える問題です。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回の問題の解説

良い和の式の例

問題文にもあるように 12+35=47は数字が重複していませんので「良い和の式」と言えます。他には 13+54=67も良い和の式になります。無限ではありませんが、良い和の式となる例はたくさんありますので、探してみてください。

与えられた命題が正しいかどうか検証する

命題①について

 A,\ Bがともに1桁の数で、 A\not= Bであれば、常に良い和の式になる。

という命題ですが、 A=1,\ B=9とすると A\not= Bですが、 1+9=10 1が重複しているので良い和の式とは言えません。したがって、これが反例となりますのでこの命題は偽であるということになります。

命題②について

良い和の式であるためには、 Cは常に 10000未満でなければならない。

という命題を考えてみます。 Aの桁数を固定して考えていくとわかりやすくなると思います。

(1) Aが1桁の数であるとき

 C 10000以上となるには B 9991以上でなければいけません。これより Bは5桁以上の数であることがわかります。良い和の式にするには繰り上がりを作る必要がありますが、 Aが1桁の数ですので、影響があるのは百の位までです。千の位から大きい位の数は変化がありませんので、ここで重複が生じてしまいます。よって、 A+B=Cが良い和の式になることはありません。

(2) Aが2桁の数であるとき

 C 10000以上となるには B 9901以上でなければいけません。これより Bは5桁以上の数であることがわかります。このとき、 Aで2種類の数字、 Bで5種類以上の数字を使う必要がありますので、ここまでで少なくとも7種類の数字を使用しています。また、 Cは5桁以上の数ですので、 Cで5種類以上の数字を使用します。したがって、 A+B=Cが良い和の式になるには少なくとも12種類の数字が必要です。ところが、数字は 0から 9の10種類しかありませんので、この場合の A+B=Cは必ず数字の重複が起こりますので良い和の式になることはありません。

(3) Aが3桁の数であるとき

 C 10000以上となるには B 9001以上でなければいけません。このとき、 Aで3種類の数字、 Bで4種類以上の数字を使う必要がありますので、ここまでで少なくとも7種類の数字を使用しています。また、 Cは5桁以上の数ですので、 Cで5種類以上の数字を使用します。したがって、 A+B=Cが良い和の式になるには少なくとも12種類の数字が必要です。ところが、数字は10種類しかありませんので、この場合の A+B=Cは必ず数字の重複が起こりますので良い和の式になることはありません。

(4) Aが4桁の数であるとき

 C 10000以上となるには B 1001以上でなければいけません。このとき、 Aで4種類の数字、 Bで4種類以上の数字を使う必要がありますので、ここまでで8種類の数字を使用しています。また、 Cは5桁以上の数ですので、 Cで5種類以上の数字を使用します。したがって、 A+B=Cが良い和の式になるには少なうとも13種類の数字が必要です。ところが、数字は10種類しかありませんので、この場合の A+B=Cは必ず数字の重複が起こりますので良い和の式になることはありません。

(5) Aが5桁以上の数のとき

このときは C 10000以上になります。 Aで5種類以上の数字、 Bで1種類以上の数字を使用しますので、ここまでで少なくとも6種類の数字を使用します。 Cで5種類以上の数字を使用しますので、 A+B=Cが良い和の式になるためには少なくとも11種類の数字を使用する必要があります。ところが、数字は10種類しかありませんので、 A+B=Cは必ず数字の重複が起こりますので良い和の式になることはありません。

(1)〜(5)でわかること

ここまでで示されたことは「 C 10000以上の数であれば良い和の式ではない」という命題が真であることですが、この命題は元の命題の対偶です。対偶の真偽は元の命題の真偽と一致しますので、「良い和の式であるためには C 10000未満の数である」という命題は真であることがわかります。

 A=1987のときの良い和の式

先程の命題②から、 A+B=Cが良い和の式になるためには Cは4桁以下の数であることが必須です。 Aは4桁の数ですので、 Cは4桁の数になります。また、繰り上がりを生じさせないと A C 1 9が重複してしまうので、数字の種類が10種類しかないことを考えると B 13以上の2桁の数であることがわかります。 A=1987ですので、使える数字は 0,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6となります。 Bの考えうる値の最大値は 65ですので、 Cの上2桁が 20XXとなります。したがって B 0 2は使用できません。これによって、 Bの候補は以下のようになります。

 34,\ 35,\ 36,\ 43,\ 45,\ 46,\ 53,\ 54,\ 56,\ 63,\ 64,\ 65

一の位に注目すると 7+3=10,\ 7+4=11,\ 7+5=12,\ 7+6=13となりますので、 A+B=Cで数字の重複が起こらないようなものは 7+6=13です。このときの Cの一の位は 3ですので B 3は使用できません。これによって Bの候補は 46 56に絞られました。あとは実験して良い和の式になることを確認します。

 1987+46=2033

 1987+56=2043

後者が良い和の式になっていますので、 B=56であることがわかります。

 A=607のときの良い和の式

 A+B=Cが良い和の式になるには Bが4桁の数であるとすると、 Cは4桁以上の数になりますが、この場合11種類以上の数字が必要になりますので良い和の式になることがありません。したがって、 Bは3桁以下の数になります。また、百の位で繰り上がりを生じさせないと数字の重複が起こってしまいますので、 B 193以上の数でなけばなりません。使える数字が 1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 8,\ 9ですので、ここから Bの候補を絞っていきます。

一の位の注目する

 7+3=10,\ 7+9=16であることから、 Bの一の位が 3または 9のとき、 A+B=Cにおいて Aの値と Cの一の位で数字の重複が起こります。このとき、良い和の式とならないので、これを候補から外します。また、一の位で繰り上がりがないと Aまたは Bの十の位と Cの十の位で数字の重複が起ころますので、良い和の式になりません。したがって、 Bの一の位は 4,\ 5,\ 8のいずれかになります。この3通りに場合分けをして考えていきます。

(1) Bの一の位が 4のとき

 7+4=11となりますので、 Cの一の位が 1となります。十の位と一の位に注目すると

 07+24=31,\ 07+34=41,\ 07+54=61,\ 07+84=91,\ 07+94=101

であることを考えると、 A+B=Cが良い和の式になる候補は B=X24 B=Y84となります。 Xには 5,\ 8,\ 9 Yには 5が入ります。百の位に注目すると

 6+5=11,\ 6+8=14,\ 6+9=15

となります。すべての場合において C 1が重複しますので良い和の式にはなりません。

(2) Bの一の位が 5のとき

 7+5=12となりますので、 Cの一の位が 2となります。十の位と一の位に注目すると

 07+15=22,\ 07+35=42,\ 07+45=52,\ 07+85=92,\ 07+95=102

であることを考えると、 A+B=Cが良い和の式になる候補は B=X35または B=Y85となります。 Xには 8,\ 9 Yには 3,\ 4が入ります。 百の位に注目すると

 6+3=9,\ 6+4=10,\ 6+8=14,\ 6+9=15

となります。実験してみると

 607+385=992,\ 607+485=1092,\ 607+835=1442,\ 607+935=1542

となり、いずれも良い和の式にはなっていません。

(3) Bの一の位が 8のとき

 7+8=15となりますので、 Cの一の位は 5となります。十の位と一の位に注目すると

 07+18=25,\ 07+28=35,\ 07+38=45,\ 07+48=55,\ 07+98=105

であることを考えると、」 A+B=Cが良い和の式になる候補は B=X18または B=Y28または B=Z38となります。 Xには 3,\ 4,\ 9 Yには 4,\ 9 Zには 2,\ 9が入ります。実験してみると

 607+318=925,\ 607+418=1025,\ 607+918=1525

 607+428=1035,\ 607+928=1535

 607+238=845,\ 607+938=1545

となり、 607+318=925のみ良い和の式になっています。以上から、 B=318となります。

いかがだったでしょうか?〜解いてみた感想〜

短大の入試問題ですが、難易度が高い問題だと思います。

答えだけ記入するのであればカンで当てられることができるかもしれませんが、記述することを考えると難関大学で出題があってもおかしくないような問題でした。

候補を丁寧に絞っていけば1つに絞っていくことは可能です。

ですが、記述が以前解いた京都大学の問題並みに多かったです。

短大の問題だからと言ってナメてかかると痛い目に遭いそうです。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

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