マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

京都大学の問題【1957年全学部共通解析Ⅰ第2問】

ご訪問ありがとうございます!

解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

今週は2014年実施の徳島県教員採用試験の問題ですが、問題の選定の都合上、今回は京都大学の過去問です。

今回は1957年の京都大学の解析Ⅰの第2問です。

今回の問題の原文

 a,b,c,d,e,fはいずれも 0から 9までの数字とする。6桁の整数 {\bf abcdef}を適当に定めて、その2倍が {\bf cdefab}となるようにせよ。ここに {\bf abcdef}は、通常の十進法による記法であって、整数

 10^{5}a+10^{4}b+10^{3}c+10^{2}d+10e+f

を表すものとし、 {\bf cdefab}についても同様であるとする。

今回の問題について

難易度は☆☆☆☆☆です。

条件から整数を定める問題です。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回の問題の解説

整数の性質を使って、候補を絞り出していきます。

 aの候補を絞る

 {\bf abcdef}が6桁の整数を表しますので、 a\not= 0です。また、この整数の2倍も6桁の整数になりますので、 aは5より小さいこともわかります。したがって、 a 1,2,3,4のいずれかになります。

他の文字についての候補を絞れないか考えてみる

元の整数と2倍した整数の関係を見てみます。

 2\times {\bf abcdef}={\bf cdefab}

が関係式です。一の位に注目してみます。 f 5より小さい数字であれば 2f=b f 5以上の数字であれば、繰り上がりがありますので 2f=10+bとなります。したがって、考えられる b fの数字の組み合わせは

 (b,f)=(0,0),(2,1),(4,2),(6,3),(8,4),(0,5),(2,6),(4,7),(6,8),(8,9)

の10通りが考えられます。

絞り込んだ3文字の候補から正解を割り出す

絞り込んだ候補は全部で40通りあります。面倒かもしれませんが、1つずつ調べていけば確実に正解にたどり着くはずです。正解以外の組合せは必ず矛盾が生じています。

 (a,b,f)=(1,2,1)のときを見てみます。 {\bf cdefab}の下3桁が 112となっています。2倍するとこの数になりますので、この半分が元の数の数字であると考えられます。 112\div 2=56ですので、元の数 {\bf abcdef}と比較すると e=5,f=6となります。ところが、 f=1と定めていますので、これは矛盾です。

 (a,b,f)=(2,2,1)のときを見てみます。 {\bf cdefab}の下3桁が 122となっています。先ほどと同じようにこの値の半分を考えてみると 122\div 2=61となりますので、 e=6,f=1であると考えられます。ここまでは矛盾なくいけています。 a=2で、 2b=4で繰り上がりがありませんので c=4と考えられます。あとは dの値を求めるだけです。 {\bf abcdef}=224{\bf d}61とわかりましたので、これを2倍すると

 2times {\bf abcdef}=448{\bf (2d+1)}22

これが {\bf cdefab}と等しいので d=4となります。これより 2d+1=9ですので、 f=9となります。これは最初に定めた f=1と矛盾します。

 (a,b,f)=(4,2,1)のときを見てみます。 {\bf abcdef}の下3桁が 142となっています。同じようにこの値の半分を考えると 71ですので e=7,f=1と考えられます。ここまでは矛盾なくいけています。 bの値は 2で2倍しても繰り上がりはありませんので、 c=8となります。ここまでで {\bf abcdef}=428{\bf d}71であることがわかりました。あとはこの2倍を考えて矛盾が生じないかを見ます。

 2\times {\bf abcdef}=856{\bf (2d+1)}42

となりますので d=5です。このとき 2d+1は10を超えますので 2d+1=10+fという関係があります。この関係から f=1で、これは最初に定めたものと一致していますので矛盾なくいけています。したがって、 a=4,b=2,c=8,d=5,e=7,f=1ですので、求める6桁の整数の1つは 428571ということがわかります。

同じ調べ方で他に矛盾なくいけているものを探す

先ほどの調べ方の手順は

(1)定めた (a,b,f)の値から {\bf fab}を作って、その値を2で割る。

(2)(1)で求めた値の一の位が fの値、十の位が eの値とする。→ここで(1)と矛盾が生じたら検証ストップ。

(3) {\bf abcdef}を2倍した値を考えて cの値と dの値を定める。

(4) {\bf abcdef}を2倍した値と {\bf cdefab}と比較して矛盾が生じていないかチェックする。→ d fの値に注目します。矛盾が生じていればここにあります。

(1)から(4)で矛盾が生じていなければその値が求める6桁の整数になります。

この調べ方で矛盾が生じないのは (a,b,f)=(4,2,1),(2,8,4),(1,4,7)のときだけです。その他のときは(2)か(4)のどちらかで矛盾が生じています。

条件を満たす6桁の整数を求める

 (a,b,f)=(2,8,4)のとき、 428\div 2=214ですので e=1,f=4と考えられます。ここまで矛盾は生じていません。 b=8は2倍すると10を超えますので、繰り上がりがあります。したがって c=5となります。ここまでで {\bf abcdef}=285{\bf d}14とわかりましたので、この数の2倍を考えると e=1であることに注意して

 2\times {\bf abcdef}=571{\bf (2d)}28

となります。これにより d=7 2d=10+fという関係から f=4で矛盾なくいけています。よって求める6桁の自然数 485714となります。

 (a,b,f)=(1,4,7)のときは、同じように考えると 142857が求める6桁の整数であることがわかります。

いかがだったでしょうか?

かなりの難問でした。初見で解くには非常に難しいです。

繰り上がりを考慮しないといけないところがさらに難易度を上げているように思いました。

今回は小手調べをしていきましたが、他に良い解法があるかもしれません。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

Twitterで更新を報告しています!フォローよろしくお願いします(・ω・)

https://twitter.com/red_red_chopper