マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

共通テスト前の確認数学Ⅰ+A編【2次関数】

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今週は共通テスト前の確認数学Ⅰ+A編です。

今回は2次関数の問題です。

今回の問題の原文

1.関数 y=x^{2}-6x+1について、次の問いに答えよ。

(1)この関数のグラフの頂点を求めよ。

(2)この関数のグラフを x軸方向に -10 y軸方向に -2だけ平行移動したグラフの式を求めよ。

(3)放物線 y=x^{2}-6x+1が切り取る x軸の長さを求めよ。

(4)放物線 y=x^{2}-6x+1の頂点とこの放物線と x軸との交点でできる三角形の面積を求めよ。

 

2. aを定数とする。関数 f(x)=x^{2}+2ax+a+2について、次の問いに答えよ。

(1)放物線 y=f(x) x軸と異なる2点で交わるような aの値の範囲を求めよ。

(2) aの値が(1)で求めた範囲を動くとする。このとき、放物線 y=f(x) x軸との交点の x座標がすべて正であるような aの値の範囲を求めよ。

今回の問題について

難易度は☆☆☆です。

2次関数の基礎問題です。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回の問題の解説

2次関数の問題を解く基本的な手順は

①平方完成をして頂点を求める。

②設定されて問題に対して適切に使えるものを使っていく。

という感じです。②については今後2次関数の問題を出題すれば、問題ごとで説明を加えていきます。

一番言いたいことは①の「2次関数を見たらまずは平方完成せよ」ということです。

とある塾で高校生を見たりしますが、この平方完成が苦手な学生が急増しているように思います。

平方完成に関しては

 y=ax^{2}+bx+cを平方完成した式は

 \displaystyle y=\left( x+\frac{b}{2a}\right) ^{2}-\frac{b^{2}-4ac}{4a}

と書かれていることがほとんどかと思います。これを見てこう思いませんか?

(A)どうやってこんな式導き出すねん?

(B)こんなんどうやって覚えるねん?

(A)のように思った方は、今から導き出しますので以下を読んで理解してみてください。

 \begin{eqnarray*} ax^{2}+bx+c&=&a\left( x^{2}+\frac{b}{a}x\right) +c\\ &=&a\left( x^{2}+\frac{b}{a}x+\frac{b^{2}}{4a^{2}}\right) -\frac{b^{2}}{4a}+c\\ &=&a\left( x+\frac{b}{2a}\right) ^{2}-\frac{b^{2}}{4a}+\frac{4ac}{4a}\\ &=&a\left( x+\frac{b}{2a}\right) ^{2}-\frac{b^{2}-4ac}{4a}\end{eqnarray*}

やっていることは

 xがある項だけ aでくくる。

②2乗を作りたいのでカッコの中で \displaystyle \frac{b}{a}の半分の2乗を加える。この値は余計なもの(勝手に足したもの)なのでカッコの外で引いておく。

③カッコの部分だけ因数分解する。このときに因数分解の公式 x^{2}+2xy+y^{2}=(x+y)^{2}を使っています。

④カッコの外の部分は通分して計算する。

この4つです。中学で2次方程式の解の公式を導くことを習ったはずです。これとやっていることは全く同じです。

この部分ができない原因は中学で数学の先生が2次方程式の解の公式の導出が底辺層〜中位層くらいの学生にとって難しすぎるから省略してしまうということが濃厚かと思います。

理解できたとしても上の計算は毎回やらないといけないのでしょうか?(正直、私も面倒だと思うのでやりたくないです)理解できてもできなくても(B)の様に考えるのがほとんどかと思います。覚えるところは下線部だけです。

 y=ax^{2}+bx+cを平方完成した式は

 \displaystyle y=\underline{ \left( x+\frac{b}{2a}\right) ^{2} }-\frac{b^{2}-4ac}{4a}

余計なものは外で引いてやるだけです。ここから問題の解説をしながら平方完成をしていきます。

(1) y=x^{2}-6x+1の平方完成ですが、 a=1,\ b=-6です。ですので \displaystyle \frac{b}{2a}=\frac{-6}{2}=-3となります。外で余計なものを引くと言いましたが、値はこの計算後のものを使います。 (-3)^{2}=9ですので、 x^{2}-6x+1の平方完成の計算は次のようになります。

 \begin{eqnarray*}x^{2}-6x+1&=&(x-3)^{2}-9+1\\ &=&(x-3)^{2}-8\end{eqnarray*}

定数項は何も触っていないのでそのままで計算しても大丈夫です。係数に文字があってもやり方は全く同じです。一般化すると

 \begin{eqnarray*}ax^{2}+bx+c&=&a\left( x+\frac{b}{2a}\right) ^{2}-\frac{b^{2}}{4a}+c\end{eqnarray*}

ここで計算を止めているということになります。どうせ、 a,\ b,\ cには具体的な数値が入りますので、この式に代入しても同じ式が求められます。

平行移動後の式は、平方完成した後の式で行うのが普通です。一般には次のことが成り立っています。

・関数 y=f(x)のグラフを x軸方向に p y軸方向に qだけ平行移動したグラフの式は

 \begin{eqnarray*} y&=&f(x-p)+q\end{eqnarray*}

このことを用いても良いですが、教科書通りに行うと「頂点を求める」→「平行移動」となります。

 y=x^{2}-6x+1 x軸方向に -10 y軸方向に -2だけ平行移動したグラフの式は

 \begin{eqnarray*} y&=&(x-3+10)^{2}-8-2\\ &=&(x+7)^{2}-10\\ &=&x^{2}+14x+49-10\\ &=&x^{2}+14x+39\end{eqnarray*}

となります。

放物線が x軸を切り取るその長さは、2次方程式の解の差になります。

 x^{2}-6x+1=0の解は 3\pm 2\sqrt{2}ですので、求める x軸の長さは 4\sqrt{2}となります。

最後の三角形の面積は、底辺が先ほど求めた x軸の長さ、高さが頂点の y座標の絶対値になりますので、その面積は

 \displaystyle \frac{1}{2}\times 4\sqrt{2}\times 8=16\sqrt{2}

となります。なお、放物線は線対称な図形ですのでこの三角形は必ず二等辺三角形になります。

(2) f(x)を平方完成すると、次のようになります。やり方は先ほどと同じようにやります。

 \begin{eqnarray*} f(x)&=&x^{2}+2ax+a+2\\ &=&(x+a)^{2}-a^{2}+a+2\end{eqnarray*}

これで放物線の頂点が (-a,-a^{2}+a+2)で軸が x=-aであることがわかります。

放物線 y=f(x) x軸と異なる2点で交わる条件は、 x2次方程式 f(x)=0の判別式を Dとすると D\gt 0が条件です。

 D/4=a^{2}-a-2=(a+1)(a-2)

となりますので、 D/4\gt 0となる aの値は a\lt -1,\ 2\lt aとなります。

放物線と x軸との交点が2点あり、その x座標がともに正である条件は

・軸が y軸より右側にある。

・放物線が下に凸であることから x=0のときの値が正である。

の2つです。最初の条件から a\lt 0、2番目の条件から a\gt -2であることが導かれます。この2つの条件は同時にクリアしないといけませんので、その共通部分を取りますが、放物線と x軸との交点が2つありますので D\gt 0である条件もクリアしなければいけません。したがって、ここまで求めた aの値のすべての共通部分を取って、求める aの値の範囲は -2\lt a\lt -1となります。

いかがだったでしょうか?

2次関数の問題で必要になることは「平方完成」です。

平方完成のカラクリは2次方程式の解の公式の導出と同じですので、ここの部分ができていない方は復習が必要になります。導き出す練習をしてみてください。

2次関数の問題は「頂点を導き出すこと=平方完成を行うこと」が基本です。

 

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