マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

徳島県教員採用試験の問題【2016年中高共通第3問】

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今週は2016年実施の徳島県教員採用試験専門教養数学の問題です。

今回は中高共通第3問です。

今回の問題の原文

2次方程式 x^{2}+x+1=0の2つの解を \alpha ,\ \beta とする。次の(1)・(2)の問いに答えなさい。

(1)2数 \alpha+2 \beta +2を解とする2次方程式を作りなさい。

(2) n自然数とする。 \displaystyle \frac{1}{(\alpha ^{n}+1)(\beta ^{n}+1)}の値を求めなさい。

今回の問題について

難易度は☆☆☆☆です。

2次方程式の解と係数の関係を用いる問題です。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回の問題の解説

直接2次方程式を解いて \alpha  \beta の値を求めてから進めるのも良いですが、そうすると計算が大変です。そこで用いるのが2次方程式の解と係数の関係です。

2次方程式の解と係数の関係

 x2次方程式 ax^{2}+bx+c=0の解を \alpha ,\ \beta とすると、因数定理より、この方程式の左辺は

 ax^{2}+bx+c=a(x-\alpha )(x-\beta )

因数分解ができます。この右辺を展開してみると

 ax^{2}+bx+c=ax^{2}-a(\alpha +\beta )x+a\alpha \beta

となります。この等式は xについての恒等式ですので、両辺の係数を比較すると

 \displaystyle b=-a(\alpha +\beta ),\ c=a\alpha \beta

となります。これらの式を変形すると

 \displaystyle \alpha +\beta =-\frac{b}{a},\ \alpha \beta =\frac{c}{a}

となります。これが2次方程式の解と係数の関係です。

 \alpha +2 \beta +2を解にもつ2次方程式を作る

 x^{2}+x+1=0の解を \alpha ,\ \beta とすると、解と係数の関係より

 \alpha +\beta =-1,\ \alpha \beta =1

となります。 \alpha +2 \beta +2を解にもつ2次方程式は、この解と係数の関係を反対に使ってやればいいので、 (\alpha +2)+(\beta +2)の値と (\alpha +2)(\beta +2)の値をそれぞれ求めると2次方程式を作ることができます。

 \begin{eqnarray*}(\alpha +2)+(\beta +2)&=&\alpha +\beta +4\\ &=&-1+4\\ &=&3\\ (\alpha +2)(\beta +2)&=&\alpha \beta +2(\alpha +\beta )+4\\ &=&1-2+4\\ &=&3\end{eqnarray*}

となりますので、 \alpha +2 \beta +2を解に持つ2次方程式 x^{2}-3x+3=0ということになります。

 \displaystyle \frac{1}{(\alpha ^{n}+1)(\beta +1)}の値を求める

 \alpha ^{n} \beta ^{n}の値を求めるのが厄介です。2次方程式を変形すると x^{2}=-x-1であることに注意して \alpha ^{3}の値を求めてみると

 \begin{eqnarray*} \alpha ^{3}&=&\alpha \times \alpha ^{2}\\ &=&\alpha (-\alpha -1)\\ &=&-\alpha ^{2}-\alpha \\ &=&-(-\alpha -1)-\alpha \\ &=&\alpha +1-\alpha \\ &=&1\end{eqnarray*}

となります。全く同じように \beta =1です。したがって、 kを整数とすると

 \alpha ^{3k}=1,\ \alpha =^{3k+1}=\alpha ,\ \alpha ^{3k+2}=\alpha ^{2}

であることがわかります。 \beta についても同様です。よって、自然数 n n=3kのとき、 n=3k+1のとき、 n=3k+2のときに場合分けをして求めていく必要があります。

 n=3kのとき、 \displaystyle \frac{1}{(\alpha ^{n}+1)(\beta ^{n}+1)}=\frac{1}{(1+1)(1+1)}=\frac{1}{4}

 n=3k+1のとき

 \begin{eqnarray*} \frac{1}{(\alpha ^{n}+1)(\beta ^{n}+1)}&=&\frac{1}{(\alpha +1)(\beta +1)}\\ &=&\frac{1}{\alpha \beta +(\alpha +\beta )+1}\\ &=&\frac{1}{1-1+1}\\ &=&1\end{eqnarray*}

 n=3k+2のとき

 \begin{eqnarray*} \frac{1}{(\alpha +1)(\beta +1)}&=&\frac{1}{(\alpha ^{2}+1)(\beta ^{2}+1)}\\ &=&\frac{1}{(-\alpha -1+1)(-\beta -1+1)}\\ &=&\frac{1}{(-\alpha )(-\beta )}\\ &=&\frac{1}{\alpha \beta }\\ &=&1\end{eqnarray*}

となります。

いかがだったでしょうか?

2次方程式の解で値が与えられている場合は直接求めるのではなく、解と係数の関係を用いると計算量を大幅に減らすことができます。

特に後半のように文字が含まれる場合は直接値を求めて計算すると日が暮れてしまいます。

そうならないように楽な方法を考えてみるのが良いかもしれません。

 

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