マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

共通テスト前の確認数学Ⅰ+A編【確率】

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今週は共通テスト前の確認数学Ⅰ+A編です。

今回は確率の問題です。

今回の問題の原文

さいころを3個同時に振り、以下の条件によって点数を加点する。

さいころの出た目の和が3の倍数であるとき、点数を 1点加点する。

さいころの出た目の和が3の倍数ではないとき、点数を -1点加点する。

このとき、次の問いに答えよ。

(1)この試行を1回行うとき、 1点が加算される確率を求めよ。

(2)この試行を6回行ったとき、点数が 0点である確率を求めよ。

(3)この試行を6回行うまでに少なくとも1回、点数が 0点となる確率を求めよ。

(4)この試行を6回行うまでに少なくとも1回、点数が 0点となったとき、試行を6回行った後の点数が 0点である条件付き確率を求めよ。

今回の問題について

難易度は☆☆☆です。

さいころ投げの問題です。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回の問題の解説

確率の問題の構成としては

①基礎的な数え上げもしくは簡単に求められるもので確率を求める問題

②数え上げや計算が少し厄介な問題

③条件付き確率を求める問題(今後は期待値が入る可能性があります)

だいたいこの構成の問題が多いです。レベル的に言うと①の問題はいわゆる「落としてはいけない問題」で、頑張れば中学生でも解けるような問題が出題されます。②が「標準的な問題」と言われる部分です。ここの部分の問題は数学Aで習う内容がメインですので、しっかりと基礎をおさえておけば解ける問題です。③は「差をつける問題」で難易度が少し高いです。条件付き確率自体は教科書に載っているくらいの基礎の部分になりますが、計算の技術を要するので多くの練習を積んでおく必要があります。前回の学習指導要領の改定が入る前はこの問題が「期待値」でした。

期待値に関しては、令和7年以降に入試を受ける高校生から期待値が数学Bの項目から数学Aの項目に戻ります。ですので、令和7年実施以降の確率の問題に期待値が入る可能性があります。ただ、条件付き確率は数学Aに残ったままになりますので、条件付き確率か期待値のどちらかの出題になるかと思います。条件付き確率、期待値とも計算が非常に面倒で、時間がかかりますので両方とも出る可能性は入試の時間的にも厳しくなるので低いかと思います。

今回の問題も上の①〜③の構成で問題を作成しました。最初の問題の数え上げが少し大変かもしれません。

数え上げが大変そうなときや、ややこしそうなとき、特に個数が多くなりそうなときは「組合せ」→「順列」の順で考えるとやりやすいです。さいころを3個振って3の倍数になる組合せを先に考えてみます。さいころの出た目を (a,b,c)の組として考えて、 a\lt b\lt cという条件を一旦、課しておきます。3の倍数となる組み合わせは

 (1,1,1),\ (1,1,4),\ (1,2,3),\ (1,2,6),\ (1,3,5),\ (1,4,4),\ (1,5,6)

 (2,2,2),\ (2,2,5),\ (2,3,4),\ (2,4,6),\ (2,5,5),\ (3,3,3),\ (3,3,6)

 (3,4,5),\ (3,6,6),\ (4,4,4),\ (4,5,6),\ (5,5,5),\ (6,6,6)

があります。数え上げを行うときは数え漏れやダブりを避けるために小さい順に行っていくことがポイントです。必ず数える順番をつけておくことが大事です。ここまでで数え上げたのは「組合せ」ですので、次に「順列」を考えます。数え上げた数の組合せで出てきているものは次の3パターンです。

・3つの数がすべて同じ→順列は 1通り

・2種類の数が1個と2個ある→順列は \displaystyle \frac{3!}{2!}=3通り

・3種類の数が1個ずつある→順列は 3!=6通り

これらのパターンに対応させて、順列を数えていくと全部で 72通りあります。ですので、求める確率は、3個のさいころを投げたときに出てくる出目が全部で 6^{3}=216通りありますので \displaystyle \frac{72}{216}=\frac{1}{3}となります。

試行を複数回行う場合は「反復試行の確率」を思い出してください。よく書かれているのは

 n回の試行で確率 pが起こる事象が r回起こる確率は

 \displaystyle _{n}C_{r}p^{r}(1-p)^{(n-r)}

ということですが、数学ではこのような公式は使うことが大事です。今回の問題の場合に当てはめると、 n=6です。6回の試行で点数が 0点となる場合は、3の倍数が出る場合と3の倍数が出ない場合が同じ回数出れば良いので、 r=3となります。また、さいころを3個振って出た目の和が3の倍数となる確率が \displaystyle \frac{1}{3}でしたので、この値が上の公式の pの値になります。数値を当てはめて計算すると

 \displaystyle _{6}C_{3}\left( \frac{1}{3}\right) ^{3}\left( \frac{2}{3}\right) ^{3}=\frac{160}{729}

となります。これが6回の試行の後、点数が0点となる確率です。点数が0点より多くなる場合は2点、4点、6点となるときですので、これらそれぞれの場合の確率を求めていくと

6点: \displaystyle \left( \frac{1}{3}\right) ^{6}=\frac{1}{729}

4点: \displaystyle _{6}C_{5}\left( \frac{1}{3}\right) ^{5}\left( \frac{2}{3}\right) ^{1}=\frac{12}{729}

2点: \displaystyle _{6}C_{4}\left( \frac{1}{3}\right) ^{4}\left( \frac{2}{3}\right) ^{2}=\frac{60}{729}

となります。約分をしていませんが、これは計算段階で約分してしまうと後で通分する必要がありますのでわざと分母を合わして計算できるようにしています。上の3パターンは同時に起こりませんので、和の法則により確率を全て足します。したがって、6回試行を行った後の点数が0点より大きくなる確率は \displaystyle \frac{73}{216}となります。

6回の試行を行うまでに点数が 0点となるのは2回目と4回目のときです。それぞれの場合が起こる確率を求めると

2回目: \displaystyle _{2}C_{1}\left( \frac{1}{3}\right) \left( \frac{2}{3}\right) =\frac{36}{81}

4回目: \displaystyle _{4}C_{2}\left( \frac{1}{3}\right) ^{2} \left( \frac{2}{3}\right) ^{2}=\frac{24}{81}

ですが、2回目と4回目両方とも 0点となる場合を2回カウントしてますので、その確率を樹形図によって求めると \displaystyle \frac{16}{81}です。よって、6回の試行を行うまでに少なくとも1回 0点となる確率は

 \displaystyle \frac{36}{81}+\frac{24}{81}-\frac{16}{81}=\frac{44}{81}

となります。あとは6回試行を行うまでに少なくとも1回 0点となることと6回試行を行った後の点数が 0点であることが同時に起こる確率を求めるだけです。その確率は \displaystyle \frac{128}{729}となります。

6回試行を行った後に点数が 0点のなる事象を A、6回の試行を行うまでに少なくとも1回 0点となる事象を Bとすると、求める確率は \displaystyle \frac{P(A\cap B)}{P(B)}です。ここまでで \displaystyle P(A\cap B)=\frac{128}{729},\ P(B)=\frac{44}{81}ですので、求める条件付き確率は \displaystyle \frac{32}{99}となります。

いかがだったでしょうか?

今回はさいころ投げの問題でした。さいころ投げの数え上げは順列であることに注意が必要です。

確率の問題は試行のルールを理解することも大事です。話を1つずつ整理して考えていくとやりやすいです。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

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