ご訪問ありがとうございます!今年は無事に…とは言い難い共通テストでした。まさかの逮捕者が出るとは。しかも40代ですか。実施要項とか見てなかったんですかね?今年は新型コロナの関係でかなりの考慮はされているはずですが、なぜ申請かなんかしなかったのですかね。それは本人に聞かないとわからないですが。
今年は理科と公民で得点調整が行われました。得点調整に関する論文が出ていますが、大学入試センターのホームページに掲載されています。誰でも見ることができます。
その一部をもとに問題を作ってみました。数学Ⅰの「データの分析」の知識があれば解けるかと思います。
従来のセンター試験、今回からの共通テストでは選択科目間で平均点が20点以上の差があり、それが難易度によるものと判断された場合に得点調整があります。得点調整が実施される条件は
①選択科目間で20点以上の平均点の差が生じたとき
得点調整を行う科目は「地理歴史」の「世界史B」「日本史B」「地理B」の間、「公民」の「現代社会」「倫理」「政治経済」の間、「理科②」の「物理」「化学」「生物」「地学」の間で行われます。
②受験者が1万人を超えた科目
今回の共通テストでは「地学」の受験者が1万人を下回っているので、理科②のうち「地学」の得点調整は対象外になりました。
③同一試験日のもので実施
「本試験」と「追試験・再試験」、「特例追試験」の間では得点調整は行わないということです。今回は「本試験」で得点調整が行われました。
得点調整は「分位点差縮小法」というやり方で行っています。比較する対象は最も平均点が高い科目と最も平均点が低い科目で、この差が15点になるように最も平均点が低かった科目を調整します。これに伴って他の科目も調整されます。この方法は最も平均点が高かった科目は変動しません。今回の場合ですと「公民」の「倫理」の平均点が71.96点、「現代社会」が51.96点、「政治経済」が49.87点でした(
)ので、得点調整が行われる科目は「現代社会」と「政治経済」で平均点が最も高かった「倫理」は実質的には得点調整はされないということになります。
得点を調整するために、得点を「変換」しなければいけませんが、その変換が今回出題した問題の変換が基礎となっているようです。今回は平均点を上げる変換で考えていますが、実際の得点調整は問題におけるTの値(調整後の平均点)を縮小比率15÷(平均点が最も高かった科目の平均点‐平均点が最も低かった科目の平均点)になるように設定してから変換を行います。ただただ問題文のように変換しただけだと0点と満点が変動してしまうので、これを解消させないといけませんが、解消させると今度は調整後の平均点がT点からずれてしまいます。(元の平均点以上、T未満になるようです。)今は得点調整に関する研究がなされていて、改良が重ねられているようです。
一番良いのは得点調整をしなくて済むように問題を作成することでしょうが、起こってしまうものは仕方ありませんよね。今回の得点調整は3回目みたいです。過去は平成元年のセンター試験の理科Ⅰ、平成10年のセンター試験の地理歴史で行われたそうです。入試の平等性を考えるのにここまでやらないといけないと思うと非常に大変ですね。受けるほうも大変ですが、やるほうはもっと大変だということですね。(>_<)