マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

入試問題の解き方を考えてみたvol.5【絶対値記号を含む不等式】

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解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

今回は入試問題の解説をしていきたいと思います。

入試問題は様々な単元が複合して出題されることがほとんどですので、ある程度の訓練が必要になるかと思います。

過去問を解く時期まではいろいろな問題と出会って入試問題がどんな感じなのか体感してみてください!

 

今回は絶対値を含む不等式について考えてみようと思います!

今回の問題は令和6年度群馬県教員採用試験で出題された問題です。

目次

今回の問題
解答までの必要な知識
解答までの考え方
解答を作ろう!
まとめ

今回の問題

不等式 |x^{2}-4x+3|\gt 3を解け。

解答までの必要な知識

問題を解くうえでの必要な知識の洗い出しは問題文を読み取って行います。

次のステップで必要な知識を見ていきます。

1.問題文から解く方針を考える

不等式に絶対値記号があります。

絶対値記号の定義は

 |x|=\left\{ \begin{array}{cc} x&(x\geqq 0)\\ -x&(x\lt 0)\end{array}\right.

ですので、絶対値記号の中の符号で対応を変えていく必要があります。

したがって、 x^{2}-4x+3が正数になる xの値の範囲とそれ以外で場合分けをして考えていかないといけない、ということになります。

2.使える公式や定理はあるか?

今回の問題の必要な知識は

・絶対値記号の外し方

 2次不等式の解き方

です。

 2次不等式の解き方は

①最高次の係数の符号を正にいしておく

 f(x)=0の方程式を解く

③該当する xの範囲を求める

というのが基本的な方針です。

実際に問題を解いたほうがわかりやすいと思いますので、やってみようと思います。

例題

不等式 -x^{2}+4x-3\gt 3を解け。

解く方針

 2次不等式は一旦 f(x)\gt 0もしくは f(x)\lt 0の形にしておきます。

今回の問題は右辺の 3を移行して

 -x^{2}+4x-6\gt 0

にしておきます。

左辺の多項式の最高次の係数が負の数になっていますので、不等式の両辺に -1をかけて正の数にします。

不等式の両辺に負の数をかけた場合は不等号の向きが変わりますので、そこは注意してください。

 x^{2}-4x+6\lt 0

となります。

次に行うことは x^{2}-4x+6=0を解くことです。

ですが、この方程式を解くと x=-2\pm \sqrt{2}iとなり、実数解を持ちません。

この場合は x^{2}-4x+6=(x-2)^{2}+2のように平方完成すれば x^{2}-4x+6\gt 0がいつでも成り立っていることがわかります。

ということは x^{2}-4x+6\lt 0はいつでも成り立ちませんので、この不等式の解は「なし」です。

解答

 \begin{eqnarray*} -x^{2}+4x-3&\gt &3\\ -x^{2}+4x-6&\gt &0\\ x^{2}-4x+6&\lt &0\\ (x-2)^{2}+2&\lt &0\end{eqnarray*}

最後の不等式はどのような実数 xについても成り立たないから、この不等式の解はなし。

解答までの考え方

必要な知識が確認できたら、解答を組み立てていきます。

数学とはいえ、日本語で解答を書きますので不自然にならないような順番にします。

次のステップで考えていくと組み立てやすいです。

1.ゴールを確認する

不等式を解いて xの値の範囲を求めることがゴールです。

今回の問題は絶対値記号が含まれていますので、絶対値記号を外すために場合分けをしなければいけません。

それぞれの場合について不等式を解いて、最後に不等式を満たすような xの値の範囲を洗い出します。

2.文章の構成を考える

まずは x^{2}-4x+3\geqq 0のときを考えます。

このときの不等式は x^{2}-4x+3\gt 3

となります。

この不等式を解いたら一旦ここの話は置いておきます。

次に x^{2}-4x+3\lt 0のときを考えます。

このときの不等式は

 -x^{2}+4x-3\gt 3

となります。

この不等式を解いたら先ほど解いた 2つの不等式の和集合を取ります。

どうして和集合かと言うと

・同時に起こらない→場合分けした2つの場合は同時には起こり得ない。

・すべての場合を尽くしている→場合分けをした2つの場合はすべての実数 xについて考えられている。

というのが理由です。

そうすると不等式の解が出てくるはずです。

解答を作ろう!

ここまでの考え方に基づいて解答を作ってみます。

以下はこの問題の解答例です。

細かい言い回しなどは自分の言葉で書いても問題ありませんが、不自然の日本語にならないように気をつけると良いです。

解答

 x^{2}-4x+3\geqq 0のとき

 \begin{eqnarray*} x^{2}-4x+3&\geqq &0\\ (x-1)(x-3)&\geqq &0\end{eqnarray*}

すなわち x\leqq 0,\ 3\leqq xのとき、不等式は

 x^{2}-4x+3\gt 3

となる。この不等式を解くと

 \begin{eqnarray*} x^{2}-4x+3&\gt &3\\ x^{2}-4x&\gt &0\\ x(x-4)&\gt &0\end{eqnarray*}

 x\leqq 0,\ 3\leqq xなので、この不等式の解は x\lt 0,\ 4\lt x

 x^{2}-4x+3\lt 0すなわち 0\lt x\lt 3のとき、不等式は

 -x^{2}+4x-3\gt 3

となる。この不等式を解くと

 \begin{eqnarray*} -x^{2}+4x-3&\gt &3\\ -x^{2}+4x-6&\gt &0\\ x^{2}-4x+6&\lt &0\\ (x-2)^{2}+2&\lt &0\end{eqnarray*}

この不等式を満たす実数 xは存在しない。

以上より、不等式 |x^{2}-4x+3|\gt 3の解は x\lt 0,\ 4\lt x

まとめ

今回は教員採用試験の問題を使って絶対値記号を含む不等式の解き方を考えてみました。

問題としては入試問題と変わらないので入試対策になるのではないかと思います。

絶対値記号に文字式が含まれている場合は絶対値記号の中の符号で場合分けをして話を進めていかなければなりません。

場合分けをして記述することは大学入試でも教員採用試験の問題でも多々出てきますので、慣れておきたいところですね。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

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