マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

徳島県教員採用試験の問題【2017年中高共通第3問】

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今週は2017年実施の徳島県教員採用試験専門教養数学の問題です。

今回は中高共通第3問です

今回の問題の原文

 OA,\ OB,\ OCを3つの辺とする平行六面体 OADB-CQPRにおいて、 \overrightarrow{OA}=\vec{a},\ \overrightarrow{OB}=\vec{b},\ \overrightarrow{OC}=\vec{c}とするとき、次の(1)・(2)の問いに答えなさい。

(1) \triangle ABCの重心を Gとするとき、3点 O,\ G,\ Pは一直線上にあることを示し、 OG:OPを求めなさい。

(2)辺 RP Pを超える延長上に RP=PSとなる点 Sをとり、直線 OSと平面 DQRの交点を Tとするとき、 \overrightarrow{OT} \vec{a},\ \vec{b},\ \vec{c}を用いて表しなさい。

今回の問題について

難易度は☆☆☆です。

平行六面体とベクトルの問題です。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回の問題の解説
 OG:OPを求める

まず、3点 O,\ G,\ Pが一直線上にあることを証明してみます。与えられている平行六面体の図は次のようになっています。

この図より \overrightarrow{OP}=\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}であることがわかります。また、点 G \triangle ABCの重心ですので

 \displaystyle \overrightarrow{OG}=\frac{1}{3}\vec{a}+\frac{1}{3}\vec{b}+\frac{1}{3}\vec{c}

となります。これらの2式を見比べると \displaystyle \overrightarrow{OG}=\frac{1}{3}\overrightarrow{OP}となっていますので、3点 O,\ G,\ Pは一直線上にあることが言えます。また、この式から OG:OP=1:3であることもわかります。

 \overrightarrow{OT}を求める

 Sは辺 RPの点 Pを超える延長上で RP=PSとなる点ですので

 \begin{eqnarray*} \overrightarrow{OS}&=&\overrightarrow{OP}+\overrightarrow{PS}\\ &=&\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}+\vec{a}\\ &=&2\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}\end{eqnarray*}

となります。点 Tは直線 OS上にありますので、 \overrightarrow{OS}=k\overrightarrow{OT}をみたす実数 kが存在します。また、平面 DQR上にもありますので、 s,\ t,\ uを実数とすると

 \overrightarrow{OT}=s\overrightarrow{OD}+t\overrightarrow{OQ}+u\overrightarrow{OR}\ \ (s+t+u=1)

と表すことができます。この式を \vec{a},\ \vec{b},\ \vec{c}を用いて表すと

 \overrightarrow{OT}=(s+t)\vec{a}+(s+u)\vec{b}+(t+u)\vec{c}

となります。したがって

 2k\vec{a}+k\vec{b}+k\vec{c}=(s+t)\vec{a}+(s+u)\vec{b}+(t+u)\vec{c}

が成り立ちます。 \vec{a},\ \vec{b},\ \vec{c} \vec{0}ではなく、平行でもありませんので、次の連立方程式が成り立ちます。

 \begin{eqnarray*} \left\{ \begin{array}{ccc} 2k&=&s+t\\ k&=&s+u\\ k&=&t+u\end{array} \right. \end{eqnarray*}

この3式の辺々を足すと、 s+t+u=1であることから 4k=2が導かれますので \displaystyle k=\frac{1}{2}ということになります。よって

 \displaystyle \overrightarrow{OT}=\vec{a}+\frac{1}{2}\vec{b}+\frac{1}{2}\vec{c}

となります。

いかがだったでしょうか?

今回の問題はベクトルの表現の一意性とベクトルの共面条件がポイントになります。

特に表現の一意性はよく使いますので、 \vec{a},\ \vec{b},\ \vec{c}で表すことができないかということを考えると方針が見えてくるかと思います。

条件は注意深く使わないと結果が狂ってきますので、慎重に取り扱うようにしておきたいです。

 

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