マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

共通テスト前の確認数学Ⅰ+A編【整数の性質】

ご訪問ありがとうございます!

解いた数学の問題をマーク方式にして公表するブログです!管理人のRedchopperです!よろしくお願いします!

今週は共通テスト前の確認数学Ⅰ+A編です。

今回は整数の性質です。

今回の問題の原文

 a,\ b,\ c a^{2}+b^{2}=c^{2}を満たす自然数とする。このとき、次の問いに答えよ。

(1) a,\ bのうち少なくとも1つは3の倍数であることを示せ。

(2) a,\ b,\ cのうち少なくとも1つは5の倍数であることを示せ。

(3)(1)と(2)を用いて a^{2}+b^{2}=c^{2}を満たす (a,b,c)の組を2つ挙げよ。

今回の問題について

難易度は☆☆☆です。

ピタゴラス数に関する問題です。

難易度表記については以下の記事をご参照ください。

red-red-chopper-mathmatics.hatenablog.com

今回の問題の解説

余りの性質に焦点を当てて問題を作成しました。合同式の性質といえばわかるでしょうか。 A=Bが成り立つとき、 A B同じ数で割った余りが等しいということを使います。

まずは最初の問題「 a^{2}+b^{2}=c^{2}をみたす自然数 a,\ b,\ cについて a,\ bのうち少なくとも一方は3の倍数である」ことを余りの性質を使って証明します。この等式において出てくる自然数は平方数ですので、平方数を3で割った余りがいくらになるかを考えます。

自然数 nを次の場合に分けて考えてみます。 k自然数とします。

 n=3kのとき、 (3k)^{2}=3\times 3k^{2}となりますので、この数の2乗は3の倍数です。

 n=3k+1のとき

 \begin{eqnarray*} (3k+1)^{2}&=&9k^{2}+6k+1\\ &=&3(3k^{2}+2k)+1\end{eqnarray*}

となりますので、この数の2乗は3で割ると1余ります。

 n=3k+2のとき

 \begin{eqnarray*} (3k+2)^{2}&=&9k^{2}+12k+4\\ &=&3(3k^{2}+4k+1)+1\end{eqnarray*}

となりますので、この数の2乗は3で割ると1余ります。

したがって、自然数を3で割った余りでグループ分けをすると上で場合分けした3つの場合のどれかになりますので、平方数を3で割った余りは0か1ということになります。しかも、上の計算を見てみると、 nが3の倍数ではないとき n^{2}を3で割った余りが1であることがわかります。ということは、 a bがともに3の倍数でなければ a^{2}+b^{2}を3で割った余りは 1+1=2となります。ところが、 c^{2}を3で割った余りは先ほどの考察より0か1ですので a^{2}+b^{2}=c^{2}を満たすことはないということがわかります。この結果から「 a bはともに3の倍数ではない」ということではないことがわかりましたので、これを言い換えると a bのうち少なくとも1つは3の倍数であるということになります。

2問目の問題は「 a^{2}+b^{2}=c^{2}を満たす自然数 a,\ b,\ cのうち少なくとも1つは5の倍数であることを示せ」というものです。この問題も先ほどと同じように5で割った余りで自然数をグループ分けをして考えていきます。先程と同じく kを整数とします。

 n=5kのとき (5k)^{2}=5\times 5k^{2}となりますので、この数の2乗は5で割り切れます。

 n=5k+1のとき

 \begin{eqnarray*} (5k+1)^{2}&=&25k+10k+1\\ &=&5(5k^{2}+2k)+1\end{eqnarray*}

となりますので、この数の2乗は5で割ると1余ります。

 n=5k+2のとき

 \begin{eqnarray*} (5k+2)^{2}&=&25k+20k+4\\ &=&5(5k^{2}+4k)+4\end{eqnarray*}

となりますので、この数の2乗を5で割ると4余ります。

 n=5k+3のとき

 \begin{eqnarray*} (5k+3)^{2}&=&25k+30k+9\\ &=&5(5k^{2}+6k+1)+4\end{eqnarray*}

となりますので、この数の2乗を5で割ると4余ります。

 n=5k+4のとき

 \begin{eqnarray*} (5k+4)^{2}&=&25k+40k+16\\ &=&5(5k^{2}+8k+3)+1\end{eqnarray*}

となりますので、この数の2乗を5で割ると1余ります。

したがって、平方数を5で割った余りは0か1か4となります。しかも、上の計算から5ではない倍数の自然数の2乗を5で割ったときの余りは1または4です。ここで、 a,\ b,\ cが全て5の倍数ではないと仮定します。そうすると a^{2}+b^{2}を5で割った余りは 0,\ 2,\ 3のいずれかになります。一方、 c^{2}で割ったときの余りは 1,\ 4のいずれかです。よって、 a^{2}+b^{2}を5で割ったときの余りと c^{2}を5で割ったときの余りが一致しませんので a^{2}+b^{2}=c^{2}となる自然数 a,\ b,\ cは存在しないことがわかります。

ここまでで以下のことがわかりました。

 a^{2}+b^{2}=c^{2}を満たす自然数 a,\ b,\ cについて

 a bのうち少なくとも1つが3の倍数であること

 a,\ b,\ cのうち少なくとも1つが5の倍数であること

このわかったことを使って a^{2}+b^{2}=c^{2}を満たす自然数 (a,b,c)の組を探してみます。ここでは a\lt b\lt cの条件を課しておくことにします。

最も大きい c c=5に設定しますと、 a bのうち少なくとも1つが5より小さい3の倍数、すなわち3であることがわかります。他方を xとおくと

 3^{2}+x^{2}=5^{2}

が成り立ちます。この方程式を解くと x\gt 0であることに注意すると x=4となります。よって (3,4,5) a^{2}+b^{2}=c^{2}を満たす自然数の組であることがわかります。

次に一番小さい aの値を a=5に設定してみます。そうすると bが5より大きい3の倍数となります。ここは小手調べが必要ですので、 bの値が小さい順に a^{2}+b^{2}の値を調べてみます。すると

 b=6のとき a^{2}+b^{2}=61

 b=9のとき a^{2}+b^{2}=106

 b=12のとき a^{2}+b^{2}=169

 b=15のとき a^{2}+b^{2}=250

 b=18のとき a^{2}+b^{2}=349

 b=21のとき a^{2}+b^{2}=466

となります。このうち b=12のとき平方数となっていますので、 169=13^{2}より (5,12,13) a^{2}+b^{2}=c^{2}を満たす自然数の組になります。

 b=5とした場合は aが5より小さい3の倍数となりますので a=3となります。このとき a^{2}+b^{2}=34となりますが、この数は平方数ではありませんので、このときは a^{2}+b^{2}=c^{2}を満たす自然数の組は存在しません。

いかがだったでしょうか?

余りの性質の問題を作成する上でピタゴラス数を使いました。

余りの性質に関する問題は合同式の性質を思い出すと難なく解けることが多いです。

整数の性質は前回の学習指導要領の改定で入ってきた単元ですので、入試問題がまだまだ少ないですがセンター試験の過去問などで問題に当たっていくのが良さそうな気がします。

 

それでは!またのお越しをお待ちしております!(^^)/

Twitterで更新を報告しています!フォローよろしくお願いします(・ω・)

https://twitter.com/red_red_chopper