マーク方式の数学の問題を作ってみた。

仕事や趣味で数学の問題を解いています。その解いた問題や他に作った問題をマーク方式の問題にして出題しながら日常をつぶやきます。

2021年共通テスト第1日程の数学Ⅰ・数学Aの問題

ご訪問ありがとうございます!今回の更新は先週の共通テストで出題された数学Ⅰ・数学Aの問題を考察していこうと思います。去年までのセンター試験と傾向や形式が変わったのでやりにくい部分はあったと思います。傾向や形式が変わったことで作成側は自由度が増えたのではないかと思います。私の勝手な推測ですが、今後、証明問題が出されるか類似の問題を考察する会話が出題される可能性が高いように思います。なので、日ごろから入試問題のような証明問題などは触っておいたほうが良さそうです。今回の共通テストでも入試問題の過去問が参考できるような問題が出題されていました!

 

というわけで、1問目から見ていきたいと思います!

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1問目の前半は「数と式」という単元からの出題でした。

この問題の前半ではcに具体的な数値を与えて2次方程式を解くという問題でした。頑張れば中学生でも解ける問題ですね。(2)の分母の有理化の問題は数学Ⅰで初めて習う内容のものなので、中学生では解けないですが基礎がしっかりしていれば「サ」まではたどり着くと思います。あとは√「サシ」の値がどの整数の間にあるかを探せば「シ」は埋まります。ここまでは今までのセンター試験と変わっていない部分かと思います。

(3)では太郎さんと花子さんの考察の会話があります。ここからが共通テストで取り入れられた部分です。考え方は、まず方程式①の判別式を考えます。この値をDとすると、このDが平方数となるようなcの値を探します。cに条件がなければ無限にありそうですが、問題文には「cは正の整数」と書いてあるのでこれで結構候補が絞られたと思います。また、方程式①が異なる二つの有理数解を持たないといけないのでD>0であることからcの値は1から6の整数のうちのどれかということになります。ここまでくれば小手調べができそうですね!c=1,3,6のときDの値が平方数になるので、方程式①が異なる2つの有理数解を持つようなcの値は3つということになります。したがって「ス」に入るのは3です。

(3)は差をつける問題ではないでしょうか。このような問題はできなかったら飛ばして次に行ったほうが良さそうですね。時間をかけすぎると他の問題をやる時間が無くなりますので…。数学での差をつける問題は大体最後のほうに設定されています。

 

ここからは1問目の後半です。

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「図形と計量」からの出題でした。

(1)は基本問題です。∠DAI=180°-∠BACに気が付くかどうかがカギになりそうです。三角比の相互関係と三角比の値を使って三角形の面積を求める問題は頻出です。(2)以降は共通テストになって変わったところなのでやりにくい部分はあったのではないかと思います。

(2)は与えられた式を素直に計算すると余弦定理で見たような式になるかと思います。角度に関することを聞いてきてるのでcosAを余弦定理を用いて表すと、「ニ」までは行きつくと思います。

(3)は△ABCの3辺の長さをa,b,cとし、外接円の半径をRとすると、T_{1},T_{2},T_{3}はaとbとcとRを使って表すことができ、しかもすべて同じになります!この問題は2016年に山口大学が出題した問題を使うと出てきます。

(4)は「ネ」の式の大小比較だけで各々の三角形の外接円の半径の大小比較ができます!

∠DAI=180-A, ∠EBF=180-B, ∠GCH=180-Cであることを用いると、IDとBC、EFとCA、GHとABの長さの大小比較をすれば、「ネ」の不等式を参考にしてどの三角形の外接円の半径が一番小さいかを探すことができます。

 

2問目はこんな感じでした。日常生活に結び付けた問題といえますね!

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2問目の前半は「2次関数」からの出題でした。陸上競技短距離走に関する問題で、陸上部以外に所属している人にでも解けるように用語の説明が最初にされていました。

(1)理科でもよく使いますが、単位計算をそのままやると導きたいものが出てきたりすることがあります。求めたい平均速度は「m/秒」ですが、ストライドの単位は「m/歩」で、ピッチの単位は「歩/秒」です。なので、ストライドの単位とピッチの単位をかけると、「歩」が約分されて「m/秒」になります。したがって、平均速度はストライドとピッチとの積になります。

(2)ここからはタイムが最もよくなるようなストライドとピッチを考えます。(1)のページに書いてある内容がすべてヒントになっています。考え方自体は誘導されているので、問題文はしっかり読んでおいたほうが良いです!表を見るとストライドが0.05増えるとピッチは0.1減っているので、これを1次関数とみなします。したがってストライドが2.00のときはピッチは4.80ということになります。これをもとにピッチzをxを使って表します。xの値の範囲はストライドの最大値が2.40、ピッチの最大値が4.80であることを仮定して、表をもとに考えると求めることができます。

タイムが最もよくなるxの値は、(1)からxzの値が最大になるようなxを求めれば良いですが、zはxを用いて表せる(zはxの1次関数)ので、xzは2次関数になります。あとは平方完成をして計算をしっかり行っていけば「ソ」まですべて埋まります。

どちらかというと数学力よりかは読解力が求められている感じです。書いてある内容がしっかり理解できれば、あとは誘導の通り解き進めていけばクリアできる問題でした。

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2問目の後半は「データの分析」からの出題でした。この単元の問題、ページ数が多いから面倒な気がしますね…。

「代表値」に関する知識や「相関係数」に関する知識がきちんとしていれば難なく解けるような問題でした。

 

3問目以降は選択問題です。すべて数学Aの内容からの出題です。なぜ、選択問題なのでしょうか?それは、高等学校学習指導要領に「この科目は、内容の(1)から(3)までの中から適宜選択させるものとする」と書いてあるからです。このように書いてあったら全員が数学Aの内容をすべて履修していない可能性がありますが、2次試験を考えると全部やっておかないとマズそうですね…。

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3問目は「確率」4問目は「整数の性質」5問目は「図形の性質」からの出題です。「確率」は選択する人が多いことを想定しているのか、後半は共通テストから導入された会話形式の問題でした。「整数の性質」と「図形の性質」の問題はセンター試験っぽい問題でした。

 

全体的にみると会話から一般化、日常生活に結び付けた問題といったセンター試験では見られない問題が出題されました。ほとんど試行テスト通りでしたが、記述が見送りになったのでそれをカバーするような問題が多く見受けられました。出題方針は

・数学的な問題解決の過程を重視する。事象の数量等に着目して数学的な問題を見いだ
すこと、構想・見通しを立てること、目的に応じて数・式,図,表,グラフなどを活用し、一定の手順に従って数学的に処理すること,及び解決過程を振り返り,得られた結果を意味付けたり、活用したりすることなどを求める。また、問題の作成に当たっては,日常の事象や、数学のよさを実感できる題材、教科書等では扱われていない数学の定理等を既知の知識等を活用しながら導くことのできるような題材等を含めて検討する。

となっていますが、ほとんど出題方針の通りでした。今後も同じ方針であろうと思いますが、「教科書等では扱われていない数学の定理等を既知の知識等」と書いているのが怖いですね。共通テストを攻略するためには数多く問題と出会う必要があるのでしょうか?

「日常の事象」の問題が今まであまり見なかったので、今後増えていくと数学がより近いものになるのではないかと思います。そうなると興味を持ってくれる人が増えるかな。この類の問題が出るのが楽しみです!